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浜松・住吉のそば店が50周年 手作りへのこだわりと客との対話を大切に

2代目安間公彦さん(写真左)、初代の慎次さん(右から2番目)と家族

2代目安間公彦さん(写真左)、初代の慎次さん(右から2番目)と家族

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 浜松・住吉のそば店「三浜屋住吉店(浜松市中区住吉、TEL 053-472-3358)が8月1日、50周年を迎えた。

シンプルな和風の雰囲気に改装した店内

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 中区中央にあった三浜屋本店で約13年間修業を積んだ初代の安間慎次さんは、エリアのかぶらない同所で1968(昭和43)年に創業。現在、本店はすでに閉店し、のれん分けした7店舗のうち4店舗が残り、同店が一番の歴史を持つ。

 創業当時は周辺が茶畑で、目の前の道路もアスファルト舗装がされていない未開発の土地だった。店の知名度を上げるために、1カ月に2日しか休みを取らず、夜も12時まで営業する努力を続けたという。「努力したら努力した分成果があり、励みになった」と慎次さん。出前の際には客とのコミュニケーションを大切にし、「またお願いします」とあいさつを欠かさなかったという。

 約25年前に2代目の公彦さんが店を継いだ頃から周りに大型の飲食店やチェーン店が乱立するようになり、右肩上がりだった売り上げも伸び悩んだ。「昔に比べ外食産業の選択肢が増え、客が店を選ぶ幅も広がった。周りの環境の変化で当店も厳しかった」と公彦さん。チェーン店にはできないことをしようと、昔ながらの手作りの製法にこだわり、客の健康も考えて添加物のないメニュー構成で営業を続けた。客とのコミュニケーションにもさらに力を入れ、常連客を大切にしてきた。

 現在は常連客が高齢になり足を運ぶ回数が減ってくるという新たな問題が出てきたが、ネット媒体での宣伝をしたことで、ネットからの情報を得た新規客が増えている。昨年は店内の改装をし、シンプルな内装にしたことやネットの情報効果で女性客も増えたという。

 店舗面積は約35坪。テーブル24席、座敷12席の計36席。改装の際、壁にお品書きをつるした昔ながらのそば店の雰囲気から、シンプルな和風の内装に変更。「働く男の食堂」のようなイメージから女性客も入店しやすい雰囲気にしたという。

 メニューはそばやうどんを中心に約30種類用意。そばは北海道の石挽(び)きのそば粉を使い、風味良く仕上げる。そば粉の色目が黒くなく、白い麺になるのが特徴で、そばの味もしっかりとしているという。うどんも数種類の粉をブレンドし、歯応えと喉越しのあるこだわりの麺で、天然塩を使いつやを出す。そばとうどんは「にかけ」や「たぬき」(以上650円)、「天ぷら」(900円)、「かも南蛮」(1,000円)などを用意。「親子丼」や「天丼」(以上900円)のような丼ものメニューや、「カレーライス」(800円)など、幅広いメニューをそろえる。

 「周りの皆さんのおかげで50周年を迎えることができた。この幸せを共有していきたい」と公彦さん。「2020年にはオリンピックもあり、外国人が多く訪れる。そばやうどんなど日本の食文化を多くの人に伝えて行きたい。日本の魅力を発信していく」と意気込む。

 営業時間は11時~15時、17時~20時30分。木曜定休。

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