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浜松・曳馬のレザー専門店が移転リニューアル 代替わり、「作る楽しさ伝える」教室も

次期社長の永田晴康さん

次期社長の永田晴康さん

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 レザー専門店「浜松クラフト」(浜松市中区曳馬、TEL 053-525-7722)が11月1日、浜松・曳馬に移転リニューアルオープンした。

牛革をメインに革や工具、金具などを販売

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 1981(昭和56)年に中区早馬町で創業した同店。革や工具、金具などのレザー製品に関連する材料の販売や、修理をメインに家族で営業してきた。創業当初は商店が並んでいたが、現在は官公庁の建物が並び、昔とは周りの環境が変わった。息子2人に代替わりするタイミングで、「新たな風を吹かせよう」と移転リニューアルを決意。「手作りの楽しさを伝えたい」という創業社長の思いを大切にしクラフト教室に力を入れるため、以前より大きな店構えで移転リニューアルオープンにこぎ着けた。

 店舗面積は約25坪。コンクリートの床に壁は木目調で、革が映える空間を演出。売り場面積や教室のスペースは以前の約1.5倍。教室が広くなったことで講師専用の作業台を用意することができ、生徒用のスペースも広くゆったり作業できる空間を確保した。

 商品は牛革をメインに、豚、ヘビやワニ、トカゲなどの爬虫(はちゅう)類の革などを使い、50種類を超える品ぞろえ。ゾウやアルマジロなどの珍しい革も仕入れられるという。マットなものから艶のあるものまで質感はそれぞれに違い、硬さや軟らかさなども異なる。レザー製品の修理も行い、ファスナーの修理や金具の破損、ベルトの長さ詰め、ブランドバックの裏地の張り替えなど、さまざまな要望に応える。財布やキーホルダーなどの小物や、バッグなどの販売、オーダーメードも行う。

 仕事で職人を育てる講習を行ったこともある、息子で次期社長の永田晴康さん。技術を伝えた時に喜ぶ人を見て、「手作りの楽しさを伝えたい」とと強く思ったという。約6年前にやめてしまっていたクラフト教室を新たな形でスタート。これまでは母親が革に柄を刻印する教室を開いてきたが、より作る楽しさを伝えるために、一つの製品を完成まで仕上げる教室を1年半前から始めた。基礎コースは手縫いを中心に小銭入れやカードケース、ファスナー付きポーチを製作する。

 中級コースは小物クラスと袋クラスに分かれ、難易度が上げる。中級を終えると自分で「何でも作れるレベル」に達するという。教室は月曜・水曜2回・土曜の週4回を隔週で開く。現在は25人が在籍し、女性が6割を占める。教室に通う人の中には自分で作った製品を普段使いする人も多く、「楽しんでもらえている」と言う。

 「ものがあふれる時代で、既成品ばかりの世の中。教室を通して手作りの楽しさやものづくりの原点を伝えていきたい。今まで父が築き上げてきたものを大切に守りながら、弟と2人で新しい風を吹かせていけたら」と永田さん。「自分で作る楽しさを伝えられるよう、教室には力を入れていきたい。年明けに、教室で作ったレザー製品の展示会も行うので、興味を持った人はぜひ来てもらえたら」とも。

 営業時間は、月曜~土曜=9時30分~19時、日曜=10時~17時。祝日定休。

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