浜松で1300年の歴史を持つ祭り「西浦の田楽」 中世の伝統を継承し一晩中踊りを

西浦の田楽の様子

西浦の田楽の様子

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 浜松・水窪の観音堂で2月25日・26日、国指定重要無形民俗文化財「西浦(にしうれ)の田楽」が開催される。

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 719年、僧侶の行基がこの地で聖観音の仏像と数個の仮面を作って奉納したことが始まりと言われ、約1300年の歴史を持つ同祭。

五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈り、神事に参加する者は、祭主となる別当と舞を踊る能頭、能衆というそれぞれの役割を受け持つ。役割は、代々長男が世襲制で継承し、厳しい戒律を守り続けている。別当は祭りの1カ月以上前から家族と火を別にした精進料理を食べ続け、能衆たちは1週間前から同様の生活を始める。

例年、500人程度の見学者が訪れ、旧暦の1月18日から19日朝まで開催することにのっとり、今年は新暦の2月25日21時から26日8時まで行う。

 当日は、農作業の動作が登場する「地能」と仮面を着けた芸能的な「はね能」と神を山に戻す「しづめ」の舞を行う。舞の説明などは一切せずに中世を再現し、それぞれの舞を一晩中踊り続ける。

「西浦の田楽」保存会会長の守屋治次さんは「見学する際は、カメラなどの撮影に集中しないで、月の光や風の音、土のにおい、太鼓や笛の音を体感し、中世の雰囲気を味わうのがお薦め。昔のままの形で淡々と行う祭りのため、事前に予備知識を身につけてくるとより楽しめる。中世へのタイムスリップを体験してほしい」と話す。

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