今日は「土用の丑の日」-ウナギの産地・浜松でも朝から盛況

開店早々にウナギを求める客たち

開店早々にウナギを求める客たち

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 「土用の丑の日」の7月26日、ウナギの名産地である浜松では朝早くからウナギを求める客が店頭に並んでいる。今年は、例年に比べ国産ウナギの稚魚の収穫量は3割から4割と少なく、稚魚の値段が高騰。同時にウナギの販売価格も値上げしている店が多いが、例年と変わらず盛況ぶりを呈している。

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 浜北区の持ち帰りウナギ専門店「うなぎの井口」(浜松市浜北区平口、TEL 053-586-6863)は、今年の「土用の丑の日」とその3日前に到着する予定の全国発送用が前年の「土用の丑の日」で予約が一杯になってしまっている人気店。同店では、この日2,000本のウナギを店主の井口恵丞(けいすけ)さんと、さばき職人の2人でさばいて販売している。

 7月に入ってからは、ほとんど毎日朝から晩までウナギをさばいているという井口さん。「今年は市場に流通する国産ウナギが非常に少なく仕入れには苦労している。そのため、注文から発送まで通常よりも時間がかかってしまい、お客さまに迷惑をかけてしまっている」と話す。

 市場相場の高騰から6月に値上げをした同店。しかし、中元シーズンと重なるこの時期、7月に入ってから売り上げは好調で、「例年と遜色(そんしょく)ない売り上げになりそう」だという。

 同店に開店前から並んでいた東京在住の大木さんは「実家が浜松で、以前、姉から同店のウナギを送ってもらったところ非常においしく、10年ほど土用の丑の日には毎年東京から足を運んでいる。肉厚の身が知人にも好評で、昨日も来店して贈答用の注文をお願いした」と話す。今日は9時に来店し、開店前から並んで焼きたての白焼きを持って東京に帰るという。

 また、中区のウナギ屋「新角葵東支店」(中区葵東2、TEL 053-438-5120)店主の徳倉良英さんは今年も例年と同じく多くの来店客を予想している。「うなぎの井口」同様に「梅雨明けから多くの来店客が訪れている」と徳倉さん。同店では、例年「土用の丑の日」に約100人の来店客が訪れる。「仕入れに関しては、うちのような規模の店なら問題なく仕入れが可能」と話し、万全の準備で来店客を迎える。

 「土用」とは雑節の一つで、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を指し、その中の丑の日を「土用の丑の日」と呼ぶ。夏の土用の丑の日は1年で最も暑い日の「大暑」の前後になり、古来より暑さが厳しく夏バテしやすい時期に精力のつくものを食べる習慣があった。そして、この「土用の丑の日」に夏場の売上不振に悩むウナギ店のために平賀源内が「今日は土用の丑の日」というキャッチフレーズで売り出したところ、非常によく売れた。それ以来、定着していったという説が有力だ。

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