浜松・田町のジャズバーが20周年 プロミュージシャンのオファーが絶えない店に

店主の檀和男さん

店主の檀和男さん

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 浜松・田町のジャズバー「Hermit Dolphin(ハーミット ドルフィン)」が4月1日、20周年を迎えた。

店内にはグランドピアノやこだわりのオーディオを設置

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 36歳で脱サラし、1年間の準備期間をへて、有楽街で約12坪のジャズバーをオープンした店主の檀(だん)和男さん。始めたころはジャズを中心にフュージョンやフォーク・ロックなどをこだわりのオーディオでレコードやCDを流す店として経営してきたが、現在は営業日の半分以上でライブを開催するジャズバーとして運営している。

 オープンした年の夏にジャズ好きの先輩の声で企画した綾戸智恵さんのライブがきっかけで、生演奏の魅力を知った檀さん。2004年には現在の場所に移転し、より大きな店舗となった。檀さんは「ライブをしないジャズバーとして経営し続けていたら厳しかったかもしれないし、サラリーマンに戻っていたかもしれない。移転するに当たり、大変だったので5キロも?せたが、自分の好きなことができゆっくりと構える事ができたので苦ではなかった」と当時を振り返る。

 店舗面積は約22坪。カウンター8席、テーブル30席の計38席。「フラットでスッキリした音」が特徴というモニタースピーカー「JBL4344」や「暖かく柔らかな音」が特徴という自作真空アンプを設置。壁には檀さんが集めたLP約2000枚とCD約2000枚が並ぶ。店内にはグランドピアノを設置し、音がいいと評判で、ピアノには上原ひろみさんや大西順子さんなど数々のミュージシャンのサインが残る。「ピアノがミュージシャンを呼んでいる」と檀さん。同店でのライブレコーディングCDや録音CDなどもあるという。

 始めたころは檀さんからミュージシャンへオファーを送ることも多かったが、現在ではミュージシャンからのオファーが絶えず、半分以上は断っている状況。檀さんの好きなジャズやフラメンコ、フォークソング、アコースティックなどでスケジュールを組み、ライブを開催する。「ライブに来てくれる客は市外からの人も多く、『ここの会場でのライブをみたい』と東京など遠方から来る客もいる」と檀さん。

 メニューにはアルコールだけでなく、ピザやパスタ、カレーのような食事も用意する。カレーはエスニックの得意な料理人が作り、「チキン」や「牛すじ」、「グリーンカレー」(以上、700円)など8種類を用意。ミュージシャンからも好評だという。

 「ライブをする頻度が増え盛況になったが、一般の客が離れていってしまうジレンマもある。店を始めた頃はふらっと音楽を聞きに来る客がいたり、会社の先輩が後輩を連れてくる姿などがあったりしたが、この20年で客の流れがだいぶ変わった」と檀さん。「やりたいと思っていたことはこの20年でいろいろとかなえられた。まだまだ新たな展開も考えている。さらにいいライブを開催し、クオリティーを上げていきたい」と意気込む。

 営業時間は19時30分~24時。日曜・月曜・祝日定休。

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