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浜松の平野美術館が30周年 日本画・版画作品中心に2000点収蔵

木村圭吾さんが30周年記念特別展のために描き下ろした作品

木村圭吾さんが30周年記念特別展のために描き下ろした作品

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 浜松・元浜町の平野美術館(浜松市中区元浜町、TEL 053-474-0811)が5月14日、開館30周年を迎えた。

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 初代館長・平野憲さんが、父・平野素芸さんと父子2代で収集したコレクションをもとに1989年に開館。現在、所蔵品は日本画や版画を中心に洋画、仏教美術、彫刻、工芸など約2,000点にのぼる。なかには渡辺崋山の「猛虎図」や鎌倉時代後期の「二河白道図」のような重要美術品も所蔵する。

 院展系美術品を中心に集め、地域文化の振興に寄与することを目的に「街に開かれた美術館」として活動してきた同館。これまでに現代具象絵画を描く佐々木信平さんの企画展や若手選抜の展覧会、工芸品、仏教美術の展覧会など100を超える企画展を開催。日本画家の松井冬子さんの展覧会を開催した際には、1日3,000人を超える来館者があった。毎年、年間約6,000人の来館者があり、30~50代の女性を中心に、静岡大学や静岡文化芸術大学の学生などの利用者も多いという。

 現在、30周年記念特別展として「木村圭吾『美の宇宙(アート・コスモス)』」を開催。木村さんは桜の名手として知られる日本画家で、同展でも桜をモチーフにした絵を中心に約40点を展示する。どれも鉱物を砕いた岩絵の具を使い、発色がよく深みのある作品。今回の展覧会だけのために特別に描き下ろした作品「天空に舞う(狩宿の下馬桜)」は、富士宮市にある日本五大桜の狩宿の下馬サクラを描いたもの。ほかにもナイアガラの滝を描いた全長9メートルの「世紀への激情(ナイアガラ)」や、大河ドラマシナリオ本「元禄繚乱(忠臣蔵)」の表紙絵となった「炎の舞」なども展示する。

 「通算すると約20万人の人に来場してもらっている。昔は『平野美術館ってどこ?』という人も多かったが、近年は認知度が上がってきていることを実感している」と学芸課長の杉山知太郎さん。「今後伸びていくと思う作家の支援や地域の作家の展示会を行い、地域に根ざした美術館として今後も頑張っていきたい。浜松の文化向上につなげていけたら」とも。

 開館時間は10時~15時。月曜休館。「木村圭吾『美の宇宙(アート・コスモス)』」展観覧料は、大人=800円、中高生=300円、小学生=200円。6月17日まで。

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