浜松・寺島でしょうゆやみそなどを製造、販売する「加藤醤油」（浜松市中区寺島町、TEL 053-452-5609）が7月1日、「塩糀（こうじ）アイス」の販売を始めた。

　1950（昭和25）年創業の同社。「自社で作っている商品を他の物に加工できないか」と考えていた社長の虎岩博之さんがが、知り合いの「なかやす牧場」（浜北区寺島）でアイスを作っていることを知り商品化を相談。販売にこぎ着けた。

　企画段階では甘酒などの甘みのある素材も候補に挙がっていたが、アイスの甘さと素材の甘さがぶつかって本来の味が引き立たなかったため、しょっぱい味の商品を使うことにした。選ばれた素材の一つが、浜松産の米から糀を作り塩と水を混ぜ約2週間かけて熟成させた塩糀。「塩糀の量によって味がだいぶ変わってくるので、何パターンか試作品を作り、ベストのものを選んだ」と虎岩さん。商品はほんのり塩味のするさっぱりした味わいに仕上がっているという。

　内容量は80ミリリットルで、塩糀の他にも濃厚で香ばしいしょうゆの味を残した「醤油アイス」と、みそのしょっぱさがほのかに感じられる「味噌アイス」も用意する。しょうゆやみそはいずれも自社のものを使用する。

　昨年も3種類のアイスを試験販売していたが、ラベルなどは作っておらず、要望があった人にだけ提供していた。今回正式販売するに当たり、工場見学に来た浜松学院高校の生徒にパッケージデザインを依頼。見た目からもおいしさが伝わるような商品にしたという。「集まりがあるということで10個まとめて買ってくれる方などもいて、徐々に固定客が付くようにもなった」と虎岩さん。現在、商品は店頭のみでの販売となっているが、ネットでの販売も検討している。

　「真心を込めて作った商品を、アイスという違った形でも楽しんでいただきたい」と虎岩さん。「夏の暑い時期に多くの人に味わっていただければ」とも。

　価格は各300円。