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浜松・入野に私設図書館 本をもっと気軽に楽しんでほしいと3300冊をそろえ

約3300冊の本が並ぶ店内

約3300冊の本が並ぶ店内

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 「じゃじゃの私設図書館」(浜松市西区入野町、 TEL 053-477-0876)が10月9日、オープンした。

本をもっと気軽に楽しんでほしいという思いをもつオーナーの大場雅仁さん

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 浜松で生まれ育ち、大学進学をきっかけに東京に移り住んだオーナーの大場雅仁さん。設計士として都市計画などに携わり、小説、ビジネス書、建築・土木関係書、漫画などさまざまなジャンルの本を読む必要があったという。通勤に往復3時間かかり、自然に本が増えて蔵書が約3000冊あったことからこれを使ってなにかしようと考えた。60歳を機に浜松に帰ってくることとなり、生まれ育った浜松に還元したい、地域に貢献したいという気持ちで、私設図書館を開くことを決めた。亡くなった両親が住んでいた家が空き家になっていたことから、住宅兼店舗に建て替え、オープンにこぎ着けた。

 店舗面積は約15坪。カウンターが2席、テーブルが14席の計16席。壁にリードフックあり、犬の散歩の途中にも気軽に寄ることができるテラス席も6席用意する。佐鳴台が近いこともあり、高級な雰囲気にフィットすることを考えて設計し、内装は色味を抑えた落ち着いた雰囲気。空間が広く見えるよう、店内と外のガレージの天井を統一するといった工夫もしている。

 小説やビジネス書、漫画などさまざまなジャンル書籍を約3300冊並べる。「本をもっと気軽に楽しんでほしい」という大場さんの思いもあり、閲覧や貸し出しは無料で、カフェメニューを注文しなくても利用できる。貸出期限は1カ月で、最大4冊まで借りることができる。本の寄贈も受け付けており、雑誌以外で、傷んでおらず、公序良俗に反しない本を引き取る。本を10冊寄贈するごとに、ハンドドリップコーヒーが1杯無料となる。20冊以上寄贈すると希望があれば、ネーミングライツとして本棚に名前を付けることができる。寄贈で集まった本はすでに200冊を超えている。

 カフェメニューとして、スパイスカレーをメインで提供。日本人に合うよう、サバの和風だしを加えてオリジナリティーを出した「じゃじゃカレー」(1,400円)をベースとして、だしスープをかけたお茶漬け風の「じゃじゃだしスープカレー」やナチュラルチーズをかけて焼き上げた「じゃじゃカレードリア」(以上、1,500円)などをそろえる。マイルドな味わいの「ハンドドリップコーヒー」(700円)などのドリンクや、ビール(900円)などのアルコールも用意。本を借りている人と事前予約をした人は、会員価格としてすべてのカフェメニューが200円引きとなる。

 新型コロナウイルスの対策として、テーブルにパーテーションを用意。スタッフはマスク着用、手指消毒を徹底。来店者には、飲食時以外のマスク着用と手指用の消毒をお願いしている。換気のために定期的に扉を開け、店内のアルコール消毒も行っている。

 予想以上に本を読んでくれる人が多く、夫婦やカップルで来て2時間ほど黙々と本を読む姿も見られた。「100インチのスクリーンもあり、セミナーや趣味の会などがあれば定休日に利用してもらえれば」と大場さん。「私設とはいえ図書館なので無料で貸し出しをしている。私設なので図書館であっても私語を慎む必要もない。飲食を楽しみながら本を読んでもらえれば」とも。

 営業時間は金曜、土曜、日曜=10時~16時。

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