学ぶ・知る

浜松・引佐の神社に「遠州弁うなぎみくじ」 若い世代にも遠州弁知ってほしいと企画

遠州弁を若い世代に継承したいと考える、権禰宜の岡部訓亮さん

遠州弁を若い世代に継承したいと考える、権禰宜の岡部訓亮さん

  • 47

  •  

 神社「井伊谷宮」(浜松市北区引佐町井伊谷、TEL 053-542-0355)が「遠州弁うなぎみくじ」の領布を始めて1カ月がたった。

福をすくうにかけてしゃもじですくってひく遠州弁うなぎみくじ

[広告]

 彦根藩主の井伊直憲(なおのり)が中心となり1872(明治5)年に創建され、後醍醐天皇第四王子とされる宗良親王(むねながしんのう)を祭っている同宮。地域の人々の安全を祈願する神社として来年で150年を迎える。権禰宜(ごんねぎ)である岡部訓亮(くにあき)さんは、宇都宮市の二荒山(ふたあらやま)神社に、地元に根ざした餃子(ぎょうざ)みくじがあることを知り、浜松ならではの何かができないか考えた。浜名湖に近い場所にあり、うなぎのぼりという言葉や、縁起物であり験(げん)を担いで食べられるうなぎに注目。より浜松らしさが出るよう、遠州弁の要素を加えた同くじを作ることを決めた。遠州弁の会の生田真也さんと、浜松うなぎ料理専門店振興会の高橋徳一さんら、地元の人たちと協力して制作を進め、領布を始めて1カ月がたつが、老若男女から人気となっている。

 うなぎのおけに入っている同みくじは、敵を召し取るという勝利の縁起物であるしゃもじを使い、「福をすくう」にかけてすくってひく。みくじには「やっきりこく」や、「頭(あたま)切る」、「しょんない」、「ちんぶりかく」といった遠州弁を使って書かれている。遠州弁をあまり知らない世代や、地元以外の人にも生活の中で使ってもらいたいと、言葉を解説する遠州弁語録も書いている。中には、横23ミリ×縦14ミリと財布に入る大きさの5色のうなぎのお守りが入っていて、青は学業成就、茶色は無病息災、黄色は金運上昇といった意味を持たせている。

 近隣の三ケ日には、オレンジロードがあり、サイクリングをする人が増えていることから、車体やウエアとコーディネートできるよう8色を用意した自転車用のお守り「二輪交通安全守」(800円)も用意。絵馬(1,000円)を受けた人には自転車の交通安全祈願も行っている。このほか、水に浸けると字が浮かんでくる「水みくじ」(200円)や、桜の小判が入った「花ひらくさくらみくじ」(300円)など約15種類のみくじをそろえる。

 年配者が遠州弁を楽しみながらみくじを読む姿や、家族で訪れ、子どもが両親に「なんて書いてあるの?」と質問する姿も見られるという。「このみくじで遠州弁を知ってもらい、家族で会話を楽しんでほしい」と岡部さん。「ツイッターやインスタグラムで境内の花が咲く様子なども発信しているので見てもらえれば」とも。

 「遠州弁うなぎみくじ」は1回300円。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース