焼き菓子専門店「BAKE SHOP Scot(スコット)」が浜松市北区三方原町にオープンして1カ月がたった。
以前から食べることが好きで、ツイッターでも飲食店を紹介しているという店主の佐藤直樹さんは、前の仕事を辞めることになった時、小学校の夢が料理人であったこともあり、飲食に関わる仕事がしたいと考えた。そんな中、ある店で食べたスコーンがおいしかったため調べたところ、スコーンは、焼いたときにできた割れ目に「狼の口」といった名前があることや、深い歴史があることに興味が湧いたという。浜松市内にはスコーン専門店がほとんどないこともあり、スコーン扱うことにした。電気工事会社を経営する父の武彦さんが、パン作りが好きで将来的にパン屋をやりたいと思っていたこともあり、焼き菓子とパンを扱う店の出店を決めた。直樹さんはその後、仕事をしながら調理師専門学校に通い、製菓衛生師の資格を取得。両親と一緒に店を切り盛りするため自宅敷地内に店舗を構え、まずは週1回、日曜日のみ営業することにしたという。
店舗面積は約9坪。店舗は、1年半ほどかけて車庫を改装した。ガス工事以外の作業はほとんどを直樹さんと父の2人で試行錯誤しながら行ったといい、木材をふんだんに使った温かみのあるナチュラルな雰囲気に仕上げた。店舗の前を通った人の目にとまるようなデザインにしたいと考え、外壁にはさまざまな色で塗装した木材をランダムに並べる。
国産食材を中心に、できるだけ添加物を使わず作ったスコーンやカンパーニュを販売する。水分量調整を行い、周りはサクサク、中はフワッとした食感になるよう仕上げたスコーンは、国産小麦粉を使っているため小麦本来の味が楽しめるという。
商品は、ベーシックな「プレーン」(180円)をはじめ、花の舞酒造(浜北区)の酒かすを使い、ほんのりと日本酒の甘みを感じられるスコーン「酒かす」、レーズンより小さく、甘すぎず食べやすいというカレンツレーズンを使った「カレンツ」(以上、200円)、甘いものが苦手な人にも食事感覚で食べてもらえるよう甘さを抑えた「塩」(180円)などを用意する。「硬い田舎パンのイメージ」というカンパーニュは、子どもから年配者でも食べやすいよう北海道産小麦粉「春よ恋」を使い、外は歯応えがあるが硬すぎず中はしっとりと仕上げる。カンパーニュは、小麦の香りを楽しめる「全粒粉とライ麦」(小=160円、大=240円)、甘みと食感が楽しめる「ラムレーズンとクルミ」(小=280円、大=420円)をそろえる。
新型コロナウイルス対策として、スタッフはマスク着用、手指消毒を徹底。店頭に手指消毒を用意し、密にならないよう客は2組ずつ店内に案内している。扉を開け放って換気を行い、店内のアルコール消毒も行う。
「現在は日曜のみの営業だが、夏以降は営業できる曜日を増やす予定。いずれは、来てくれた人が集まれるようなイートインスペースも造りたい」と佐藤さん。「飽きがこないよう、いろいろな商品を出していきたい。今は地元の紅茶を置いているが、何度も来店してもらえるよう楽しんでもらえる仕掛けを考えていきたい」とも。
営業時間は11時~17時。