浜松市が現在、静岡理工科大学と共催で「高校生モノづくり・コトづくりプランコンテスト2021」を開催している。
もともとあった高校生の自由なアイデアを世に出したいという思いと、多くの人に大学を知ってもらいたいという思いで同大学が開始した同コンテスト。2014(平成26)年3月に地域企業の技術開発支援、人材育成支援等の地域貢献活動推進のため同大学が浜松市と産学官連携協定を締結。一緒に何かをできないかと模索する中で、高校生を応援したいという思いが重なり、次世代の地域経済の担い手育成を目的として第2回から同コンテストを共催。今年が9回目の開催となり、現在アイデアの募集を行っている。
高校生の「こういうものがあったらいいな」、「こんなことをやってみたい」という、自由で柔軟な発想を生かしたプランを募集する同コンテスト。さまざまなビジネスコンテストがある中で、事業化が目的ではないアイデアコンテストとして開催。応募テーマは、電子部品や生活用品の改良といったものづくり分野と、イベント企画や地域コミュニティといったことづくり分野の2つ。高校生からアイデアを募集し、一次審査の通過者は、最終審査としてプレゼンを行い入賞者が決まる。教育分野を担いたいと考える同大学が、希望があれば、一次審査を通過した高校に大学の教員が出向き、プレゼンでの発表の仕方やプレゼン用の資料の作り方の指導も行う。工業高校だけでなく、普通高校からの応募も多く、面白いアイデアであれば、技術的に足りない部分は、ブラッシュアップするためのアドバイスも行う。
例年、夏休みの課題や部活動の一環として、また授業の中で取り組む高校もあり、学校単位で応募してくるところも多く、昨年は64校、総応募数は532件となった。県内からの応募が多いが、北海道から沖縄まで全国から応募があり、昨年は海外に住む日本人高校生からの応募もあった。これまで受賞したアイデアの中には、一昨年に島田市の高校生が考えた既存のお祭りの集客を高めるアイデアが、島田市との間で話が進み、事業展開している例もある。
「高校生らしいフレッシュなアイデアを出してもらい、ぜひ多くの人に応募してもらいたい」と浜松市役所産業振興課の石野佳己さん。静岡理工科大学社会連携課の池田達哉さんは「今年9回目を迎えるが、高校生や学校の先生に徐々に認知してもらえるようになってきた。高校生は時代に合わせて変化するのが早いと思うので、知らない世界を大人たちに教えてあげよう、というくらいの意気込みで応募してもらえれば」と話す。
応募受け付けは11月30日まで。一次審査の結果発表は2022年1月中旬ごろを予定する。最終審査と結果発表は同2月19日。