ラーメン店と甘味所「自家製麺 麺処 甘味処 みなとや」(浜松市北区三方原町、TEL 053-528-7833)が10月11日、オープンした。
店主の湊満ノ助さんは、航空自衛隊に所属した後に、総合病院で調理師や施設管理などの担当職員として37年間勤めた。「30年前から自身の店を持ちたいと思い描いていたが、家族を養うために安定した仕事を選び、断念した」と湊さん。定年退職を機に、一度諦めた夢を実現しようと一念発起し、ラーメン店を開くことを決意。大阪と香川県のラーメン作りの指導者の下で研修し、ラーメン作りや製麺について学んだ。聖隷病院の目の前に位置するため、来院する人がどの時間帯でも立ち寄れるようにしたいと考えた湊さん。ラーメン店とたい焼きなどを販売する甘味所を二部制で営業する店として、オープンにこぎ着けた。
店舗面積は約13坪でカウンター席8席を用意。店内は、ほっとするような空間を作りたいと考え、木材をふんだんに使う和風のデザインに仕上げた。ラーメン店の営業時間は、紺色のシンプルなのれんを使い、甘味所に替わるタイミングで、タイとタコのイラストが印象的なのれんに付け替えて営業する。
ラーメンのスープは、湊さんの出身地秋田県の比内地鶏を使う鶏ガラスープと、京都伏見の乾物店から仕入れるサバやムロアジなどの煮干しスープを独自にブレンド。コラーゲンたっぷりで塩分は控えめにし、化学調味料を使わないのが特徴。麺は、店内で小麦粉を調合して製造する自家製麺で、メニューごとにストレート麺とちぢれ麺を使い分ける。「素材本来の風味を感じる優しい味が特徴。また食べたくなるラーメンを提供したい」と湊さん。
杉だるを使い製造する香川県小豆島の「ヤマロク醤油(しょうゆ)」や、長野県の「塩屋醸造」のまろやかなうま味と風味が広がる「イゲタボシ醤油」などを使う「特選しょう油らーめん」(880円)は、季節に合わせて5種類のしょう油をブレンドして仕上げる。秋田県男鹿半島沖の海水で作る「男鹿工房」の塩や、ミネラル豊富なイタリア地中海産の天然塩を使う「芳醇(ほうじゅん)塩らーめん(880円)」は、まろやで角のない味を楽しめる。このほか、鶏ガラを炊き込み白濁したとろみあるスープの「白湯(パイタン)塩ラーメン」(960円)など、4種類のラーメンをそろえる。
甘味所で提供する「たいやき」(150円)は、添加物を一切使わず、北海道産の小豆「きたろまん」を使う自家製あんこが入る。大阪から仕入れる大ぶりのタコが入る「たこ焼き」(6個=450円)は、ソース味で提供。夏季限定で、「舞阪製氷」(西区)の氷を使う「かき氷」も用意する。
新型コロナウイルス対策として、来店時に手指消毒と検温、食事以外の時間はマスク着用を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。各テーブルにアルコール消毒を、飛まつ防止のため、全ての席の間にパーティションを設置する。
今後は、みそラーメンやクリーミーなスープが特徴の「泡系ラーメン」など、新しいメニューの発売を予定しているという。「地域貢献につながるように、社会福祉協議会と協力して、自炊方法を学べる子ども食堂を計画している」と湊さん。「地域密着型の店として、おいしい食事と笑顔を届けていきたい」とも。
ラーメン店の営業時間は11時~14時、甘味所は15時~18時。木曜・日曜定休