総務省が2月8日に発表したギョーザの1世帯当たり購入額で、浜松市が2位に順位を下げ、宮崎市が初の日本一になった。
家計調査は全国約9000世帯を対象に家計の収入や支出を毎月調査しているもので、スーパーなど小売店で購入した生や焼きギョーザが対象。外食や冷凍ギョーザは含まれない。2021年の1世帯(2人以上)あたり購入額は、宮崎市が4184円、浜松市が3728円、宇都宮市が3129円で続いた。
浜松市は2014(平成26)年から2016(平成28)年まで3年連続で1位となっていたが、2017(平成29)年と2019年は宇都宮が首位。2020年は浜松が首位に返り咲いた。両市は「日本一のギョーザの街」の座をかけて、長年1、2位を独占してきたが、宮崎市が初めてその牙城を崩した。
「宮崎ギョーザ」は、豚肉やキャベツ、ニラなど地元産の食材を使い、ラードで焼くのが特徴。一昨年に、ギョーザ店や卸売会社などで「宮崎市ぎょうざ協議会」を結成し、普及活動を行ってきた。会長の渡辺愛香さんは、「一位獲得は本当にうれしい。宮崎市民・県民のおかげだと感謝している」と喜んだ。同会によると、新型コロナ禍における巣ごもり需要が後押しとなり、売り上げが大きく伸びたという。
浜松市の鈴木康友市長は「残念ながら2年連続の日本一は逃してしまったが、浜松ギョーザは浜松を代表するグルメ。来年はNHK大河ドラマ『どうする家康』の放送が始まるので、家康公ゆかりの地である浜松に多くの人に来てもらい、浜松ギョーザを楽しんでほしい」と話す。
「まずは、宮崎の人におめでとうと伝えたいが、残念な気持ちは否めない」と浜松餃子(ぎょうざ)学会広報担当者の花枝一則さん。「順位争いが話題に取り上られることは、ギョーザの普及には有意義なこと。コロナ禍で誰もが大変な思いをしているが、平和な話題の一つになれば」とも。