2025年7月4日(金)に、今年度プロジェクトの積極的広報地域として選定された静岡市で「健康対策キックオフミーティング」を実施いたしました。プロジェクトのサポーターや特別ゲスト7名が、静岡市の難波 喬司市長と健康対策について活発な意見交換を行いました。
■森 育子氏「体を動かすことで心も整います。ダンスは筋力や柔軟性だけでなく、自己表現や人とのつながりにもなる健康活動です。 」
東京大学 先端科学技術研究センター 特任研究員の宮崎 敦子氏は、ダンスが高齢者の健康に与える影響を5年間に渡り研究、分析しています。会の冒頭では、その研究成果が共有されました。 「振り付けを覚えることは、加齢によって低下する“模倣”の力をトレーニングします。リズムに合わせて動くことで脳と筋肉を同時に刺激し、認知機能にも好影響がみられます。」と話しました。
静岡市内で、森育子ダンススタジオ・IRMダンスアカデミーを運営する森 育子氏は、宮崎氏の研究結果に深く共感をよせました。森 育子氏は「体を動かすことで心も整います。ダンスは筋力や柔軟性だけではなく、自己表現や人とのつながりにもなる健康活動です。」と語り、自身の経験を通じて感じているダンスの効果を伝えました。
森 育子氏の娘であり、ミス・ユニバース2007に輝いた、静岡市観光親善大使でもある森 理世氏は、「表現者としての実感ですが、外見の美しさも内面の充実も、土台にあるのは全て“健康”だと思います。身体と心の調和がとれてこそ、真の輝きが生まれると思います」と話し、母・森 育子氏とともに、ダンスを通じた健康づくりに意欲を示しました。
■SU氏・大滝 亮輔氏「ロマンディスコは健康のエンタメ。踊ることが、日常になる社会を」
介護福祉士かつDJの大滝 亮輔氏と、音楽ユニットRIP SLYMEのSU氏は、介護施設で高齢者向けに実施している「ロマンディスコ」の活動を紹介しました。ロマンディスコとは、介護施設などで高齢者向けのディスコイベントとして実施しているもので、光に彩られた非日常空間に昭和から令和のヒット曲が流され、高齢者は一緒に歌ったり、ペンライトを振って楽しみます。スクリーンには静岡市の昔の街並みや、若い頃の自分たちの姿が投影されるので、高齢者からは「昔を思い出して泣いてしまった」、「20歳くらい若返った」などの反響がよせられています。
大滝氏は「運動しなきゃではなく、楽しくて踊っていたら元気だったという状態が理想です。私たちは誰もが自然に動きたくなる空間を目指しています」と語りました。続けてSU氏は「おじいちゃん、おばあちゃん世代は、昔のことをかなり鮮明に覚えていらっしゃいます。音楽や昔の街並みの映像などで記憶が呼び起こされて、ロマンディスコのひとときは気持ちが若い頃に戻っていかれます。その瞬間、心が華やいで、顔色がパッとよくなるんです。」と話し、二人は音楽とダンスの力を再発見していると語りました。
■前田 健志氏「地元である静岡県の皆さんの健康対策を充実させていくために取り組んでいきたいです。」
吟詠家・尺八奏者であり、新たに2025年6月に健康一番プロジェクトのサポーターに就任した前田 健志氏は、地元・静岡の可能性に注目しました。前田氏は「静岡には自然や文化、食など、暮らしの中に健康を促す要素がたくさんあります。それらを組み合わせれば、義務感で続けるのではなく、楽しみながら健康になれる仕組みが作れると思います。地元である静岡県の健康対策のために、ダンスや自分の取り組みをどのように絡めて行けるか考えていきたいです」と語り、音楽・ダンス・吟詠など表現を通じたコラボレーションへの期待をよせました。
■難波 喬司市長「“市が”ではなく、“社会の力と共に”。静岡らしい健康づくりへ」
国際的に活動を行っているダンサーで、健康一番プロジェクトのサポーターであるMaasa氏は、「これだけ多様な分野の方と“健康”をテーマに語り合えたことがとても刺激的でした。健康は頑張るものではなく、楽しいから続くものが理想です。表現とつなげて、もっと広げていきたいです」と語りました。
キックオフミーティングを締めくくったのは、静岡市長の難波喬司氏です。難波市長は、「市としても様々な健康施策に取り組んでいますが、行政だけではなく、社会全体で市民の幸せを考えていく必要があると感じます。」と述べ、地域の多様な方々との連携の重要性を強調しました。続けて、「今回のミーティングを通じて、静岡らしいアプローチで“続けられる健康”を実現するヒントがたくさん得られました。今後も、市民の皆様の健康を支える環境づくりに取り組んでまいりたいと思います。」と決意を表明しました。
今後、静岡市ではダンス・音楽・表現を活かした地域密着型の健康づくりをさらに発展させていく予定です。楽しいから続けられる新しい健康のかたちが、ここ静岡から全国へと広がっていくことを願っています。
「知って、肝炎プロジェクト」は2012年より、肝炎に関する知識や肝炎ウイルス検査の必要性をわかりやすく伝え、あらゆる国民が肝炎に対する正しい知識を持ち、早期発見・早期治療に向けて自ら積極的に行動していくことを目的として活動しています。また「健康一番プロジェクト」は、年齢を重ねても病気にならず、「心身ともに元気に生きる」ための健康づくりを推進するとともに、健康への関心をきっかけに肝炎対策の広報を効果的に行うことを目的とした、「知って、肝炎プロジェクト」の一環として実施されているプロジェクトです。
■開催概要
催事名 :静岡市訪問、健康対策キックオフミーティング
日時 :2025年7月4日(金)
開催場所:静岡市役所(〒420-8602 静岡県静岡市葵区追手町5-1 新館8階)
出席者 :静岡市長 難波 喬司氏
知って、肝炎/健康一番プロジェクトサポーター 前田 健志氏
健康一番プロジェクトサポーター Maasa氏
東京大学 先端科学技術研究センター 特任研究員 宮崎 敦子氏
介護福祉士 大滝 亮輔氏
RIP SLYME(リップスライム) SU氏
IRMダンスアカデミー 森 育子氏
IRMダンスアカデミー 森 理世氏
厚生労働省健康・生活衛生局
がん・疾病対策課肝炎対策推進室室長補佐 月村 洋介氏