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浜松市美術館で「見立て浮世絵の世界」 江戸時代の見立ての楽しさ伝える

徳川家茂の上洛を源頼朝の上洛に見立てた作品

徳川家茂の上洛を源頼朝の上洛に見立てた作品

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 浜松・松城の浜松市美術館(浜松市中区松城、TEL 053-454-6801)で現在、「~粋な謎解き~見立て浮世絵の世界」展が開かれている。

「達人」レベルで紹介されている当時の文房具

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 同展は、「見立て」をテーマとした浮世絵を展示する。見立てとは、対象を他のものになぞらえて表現する手法で、ある景色をイメージして作った盆栽や俳句をモチーフとした浮世絵が見立てにあたる。当時、作品が何を見立てているのかに気づくことが「粋(いき)」とされており、大衆芸術であった浮世絵に多く使われていた。今回、江戸時代の浮世絵をメーンに約80作品を展示している。

 作品は、見立てのわかりやすさで「入門」「中級」「上級」「達人」の4段階に分類。入門では、歌川広重の代表作「東海道五十三次」を、浜松を中心に約20種類用意。中級~上級では、さまざまな作家の作品を約30種類、達人では茶器や当時の文房具を約25種類展示する。

 中級以上で紹介されている作品は、俳句や和歌など古典の知識が必要なものが多いため、多くの人に楽しめるように各作品に説明書きを用意している。中級の作品の例として、徳川家茂の上洛(じょうらく)を源頼朝(みなもとのよりとも)の上洛風景に見立てた作品がある。「何を見立てているのか分かりにくいものもあるかと思うが、保存状態の良い優れた作品を用意したので見るだけでも楽しめる」と学芸員の佐野聖子さん。

 5月31日には、学芸員によるギャラリー・トークも開催。各作品が何を見立てているのかの説明聞きながら館内を一緒に回ることができる。「子どもからお年寄りまで幅広い方に楽しめる」と佐野さん。「見立ての奥深さと、版画の技法が一度に味わえる貴重な機会」とも。

 開館時間は9時30分~17時。料金は、大人=300円、高校生=150円、中学生以下及び、70歳以上無料。6月5日まで。

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