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浜松・鹿島の花火大会復活へ 地元有志が支援者募集

鹿島の花火大会復活への支援を募る実行委員会大会長の山本さん(右)と土田さん

鹿島の花火大会復活への支援を募る実行委員会大会長の山本さん(右)と土田さん

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 地元有志で組織する「鹿島の花火大会実行委員会」が現在、「鹿島の花火大会」の再開に向けクラウドファンディングで支援者を募集している。

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 浜松市天竜区二俣町鹿島で開かれる「鹿島の花火大会」は、1875(明治8)年に始まった伝統ある花火大会。天竜川の河川敷から打ち上げられ、周囲の山々に響き渡る轟音(ごうおん)が特徴。2017(平成29)年には、浜松地域遺産無形民俗文化財にも認定された。

 同大会はコロナ禍の影響で4年間にわたり中止が続いた。2023年に規模を縮小して再開したものの、運営者の高齢化や物価高騰による経費増加により、翌年2024年の開催は断念した。運営を担う観光協会には80代の委員も多く、体力的な負担が大きかったという。同地区観光協会会長で実行委員会大会長の山本光佑さんは「このままの体制では継続が難しいと感じ、中止を決断した」と振り返る。中止を受け、市民から多くの残念がる声が寄せられ、花火大会が地域にとってかけがえのない存在であることを再認識したという。

 若い世代による持続可能な運営を目指し、2023年6月に「検討委員会」を発足。30代~40代の地元有志7人から始まり、活動を重ねるうちにメンバーが増え、20人規模となった段階で「実行委員会」へと移行。本格的に復活に向けた準備を進めてきた。現在、実行委員会には約40人が所属する。山本さんは「若い世代が『花火をなくすわけにはいかない』と立ち上がってくれたことが本当にうれしかった」と笑顔を見せる。

 クラウドファンディングでは、鹿島の花火をテーマにした返礼品を用意する。「東海一の轟音」の文字が入った「鹿島の花火キーホルダーコース」(5,000円)、地元の名産を詰め合わせた「遠州のうまいもんコース」(1万円)、特別席や子ども優先席の招待券が付く「特別席&子ども優先席コース」(3万円)など、約20種類のコースを設ける。

 花火大会の開催日は8月2日を予定している。約4000発の花火を打ち上げる予定で、目標金額は200万円。現在、約48万円の支援金が集まっている。集めた資金は主に歩行者天国エリアの警備費に充てる。

 企画部会長の土田哲也さんは「どこへ行っても感謝の声を掛けてもらい、期待の大きさを実感している。この地域の方言『応援してるでね』という言葉が大きな力になっている」と話す。山本さんも「開催はまだ先だが、すでに地域が元気になってきていると感じる。復活を楽しみにしてほしい」と意気込む。

 支援募集受け付けは6月8日まで。

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