浜松・坪井の老舗和菓子店「田町梅月」(浜松市西区坪井、TEL 053-447-8866)が4月27日、米粉100%の洋菓子「こめのこ」シリーズの販売を始めた。
「こめのこ」シリーズの「ぱうんどけーき 栗」と新しくなったパッケージ
同シリーズは小麦粉を一切使わず米粉だけを使った洋菓子。今までに3種類の米粉スイーツを販売していたが、今回一気に10種類に増やした。
浜松で作られた低農薬・低化学肥料のブランド米「やら米か」の水分と糖度を指定して製粉した同社オリジナルの米粉で作った同商品。製粉には、より細かい製粉ができる気流粉砕式の製粉機を使い、通常の半分ほどの大きさの粒子にすることを実現した。これにより、ほかの材料との相性を良くすることができき、従来はモチモチした食感にしかならなかったが、さまざまな食感を再現することができた。
今回増やしたのはしっとりした食感と甘酸っぱい味が特徴の浜松産の三ケ日みかんを使った「まどれーぬ蜜柑」(5個787円)や牧の原の抹茶と紅茶、浜松産の緑茶「紅ふうき」を使ったふわふわ食感の「ろーるけーき 紅茶」「ろーるけーき 抹茶」(1本840円)。掛川の緑茶を使った「ばうむくーへん 緑茶」(1本1,365円)、さくさく食感の「くっきー 紫芋」「くっきー 南瓜」(12枚630円)、国産のクリを刻み込んだ、しっとりした食感のパウンドケーキ「ぱうんどけーき 栗」(5個787円)などを用意する。
社長の富田直満さんは「構想から完成まで3年かかった。和菓子ではなじみ深い米粉がもっと活躍できるように和菓子屋である自分たちが推し進めたいと思って始めた。米粉スイーツのモチモチした食感を解決するためにはミックス粉を使うしかなかったが、米粉だけでほかの食感を再現したいと考え、研究してきた。小麦粉とはまた違ったほかの素材を上手に生かす洋菓子になっている」と開発の苦労を話す。
「箱にもこだわった。外は土の茶色、中は稲作風景と青空をあしらい、稲が青空に向って伸びていくイメージでデザインした。開けた時のギャップも楽しんでもらえれば」と富田さん。「米粉とは思えない召し上がった方のほとんどが驚くさまざまな食感を楽しんでもらいたい。遠州地方の食の豊かさを知ってもらえるきっかけになれば」とも。
営業時間は9時~19時。