浜松駅前の「遠鉄百貨店」(浜松市中区砂山)新館8階「えんてつホール」で12月20日、「第22回浜松シティファッションコンペ」の最終審査会が行われた。
浜松の繊維産業の顧客になるかもしれない有能なクリエイターを発掘する契機として開催された同コンペティション。コンテストを通じて遠州地域の綿織物を全国へ発信するとともに、浜松産の素材を生かせるデザイナーを育成し、浜松の繊維産業の振興につなげていく。
応募資格はアマチュアであり、ファッション製品の製作ができること。応募規定は未発表のレディース向けオリジナル作品で、浜松地域の綿素材をベースとした衣類制作が可能なデザイン。自筆の着色デザイン画を募り全国から4,240点が応募。ファッションデザイナーやセレクトショップオーナーなどの審査員による一次審査が行われ30作品が最終審査会に進んだ。
最終審査会当日は、ファッションショー形式で開催。制作者の名前が呼ばれ、ステージ上のスクリーンにデザイン画が映し出される。司会者が作品の説明をし、作品を身に付けたモデルがステージを歩く。審査員は作品と事前に行われた制作者によるプレゼンテーションの内容を踏まえ審査した。
受賞内容は特別賞2人、優秀賞3人、準グランプリ1人、グランプリ1人。準グランプリを受賞したのは多摩美術大学学生の松橋脩造さん。作品のタイトルは「Towards the future」。黒を基調としたポンチョ型の作品で、細やかな手縫いのデザインを施した。グランプリを受賞したのは名古屋学芸大学学生の向城美翔(みか)さん。作品のタイトルは「綿は王様」。綿毛をイメージした白地の生地を基調とし、背中には大きな花をデザイン。冠をイメージした帽子も制作した。「まさかグランプリになるとは思わなかった」と向城さん。「先生、友人、家族に支えてもらったので感謝を伝えたい」とも。向城さんには賞金50万円と賞状、盾が送られた。
「審査の際に票が割れ選出するのが難しかった」と審査員の「T・H・D La maison(テ・アッシュ・デ ラメゾン)」デザイナー・畠山巧さん。「来年はデザイン、テキスタイル共にグレードアップした作品を期待したい」とも。