浜松市内の各寺院では12月31日から1月1日にかけて除夜の鐘突きが行われる。
「実相寺」(北区引佐町)では、除夜の鐘突きや初詣とともに江戸前期に作られた枯れ山水庭園のライトアップを楽しむことができる。同庭園は、県の指定名勝であり、奥に見える三岳山を借景。鐘楼(しょうろう)も特徴的で、梵鐘(ぼんしょう)の下が門になっている。鐘楼門のほか、寺院内の多くの建物が古くから現存し、年越しや初詣をしながら歴史ある建物を楽しむことができる。鐘つきは23時45分から開始。鐘を突くためにはそれ以前に来て並ぶ必要があるが、108回つき終わった後も鐘を突くことができる。「暖かい格好をして皆さんお誘い合わせの上、お越しください」と住職の巨島信慶さん。
「方広寺」(北区引佐町)には、毎年約300人から400人が来訪。除夜の鐘突きは23時45分からで、一突き目は住職が突き、二突き目以降は一般の人々が突く。31日のお昼ごろから整理券を配布。108回までに鐘を突きたい場合には、事前入手する方が良いという。
「舘山寺」(西区舘山寺町)では23時から番号札を配布。志納金100円で1打突くことができる。23時40分から翌0時30分ごろまで鐘突きが行われる。108回で除夜の鐘突きはいったん終了するが、数分間の休憩後、翌2時まで鐘を突くことができる。除夜の鐘つき終了後には、遠州舘山寺手筒花火保存会による奉納花火の打ち上げも行われる。
「鴨江寺」(中区鴨江)では、年越しから初詣にかけて毎年数千人が参拝する。除夜の鐘を108番までに突きたい場合は予約できる。予約は毎年12月から始まっており、年によっては2週間でいっぱいになるが今年はまだ空きがあるという。
「龍雲寺(りょううんじ)」(西区入野町)では除夜の鐘の際に毎年「いのちの万灯会」が行われている。1つ300円で灯篭(とうろう)を寄進すると、灯篭に願い事を書き祈願。10人の世界の子どもたちにポリオワクチンを送る形になる。昨年は、1600灯の寄進があり、1万6千人分のワクチンを送った。副住職の木宮行志さんは「万灯会の火を見ながら色々な人の優しさに触れ自分自身の優しさにも気づけるような新年のスタートを切ってほしい」と話す。