浜松市楽器博物館(浜松市中区中央、TEL 053-451-1128)で現在、企画展「小さな可愛い世界旅行~人形・切手の楽器たち~」が開催されている。
日本初の公立楽器博物館として1995年に開館した同館。世界のさまざまな楽器、約1300点を展示する。夏と秋の年に2回、企画展を開催し、今までにも楽器を持った人形展や楽器の切手展を開催してきた。以前はコレクターから展示物を借りていたが、今回はコレクターから譲り受けたものを同館所蔵品として展示できることから、人形と切手を同時に展示し、年末年始を挟んだ長期間の企画展として開催を決めた。
展示数はコレクターから譲り受けた切手約3万点と人形約1700点の中から、学芸員が選んだ約300点を展示。「小さなかわいい世界旅行」をテーマに、日本からアジア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニアと順に人形と切手を並べる。
人形はすべて楽器を持ったもののみを展示。アジア圏では日本の阿波踊りの人形や韓国の民族衣装「チマ・チョゴリ」を着て韓国の太鼓「チャンゴ」を持った人形などを地域ごとにまとめて配置。ほかにもモンゴルの馬頭琴を持った人形やトルコの軍楽隊人形など、その国を代表する楽器や民族衣装を着た人形が並ぶ。金属や木製、竹製、バナナの木で作ったものなど素材もさまざまで、国ごとの文化や特色、人形の表情なども楽しむことができる。
切手は国を代表する楽器を描いたものや楽器を演奏する人を描いたものなど、国ごとに絵柄やイラストのタッチ、楽器の存在感などが異なる。セネガルで作られた日本画の切手もあるほか、中華人民共和国50周年の黄金切手やエルヴィス・プレスリーの切手なども展示する。
展示の最後にはテーマを絞り、動画やボードなどでテーマに沿った楽器の説明をするブースを用意。現在は「パスポートに描かれた楽器たち」と題し、パプアニューギニアやアイルランドのパスポートに描かれる楽器を紹介する。
「日本には楽器を持った人形や切手が少ないが、アフリカは楽器のものが多い。国ごとに楽器への意識の違いも分かる。集めようと思っても大変なものばかりで、珍しく貴重なものを並べている」と館長の嶋和彦さん。「人形が持っている楽器の中には常設展に実物を展示しているものもある。常設展の楽器と合わせて見てもらえると面白いはず」とも。
開館時間は9時30分~17時。入場料は常設展料金(大人=800円、高校生=400円、70歳以上・中学生以下=無料)で同時に見ることができる。第2・4水曜休館。2018年1月14日まで。