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浜松市美術館で近藤喜文展 スタジオジブリのアニメ原画など500点を展示

多くの方の来場を期待する、学芸員の水野歩美さん

多くの方の来場を期待する、学芸員の水野歩美さん

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 浜松市美術館(浜松市中区松城町、TEL 053-454-6801)で6月23日から、企画展「この男がジブリを支えた。『近藤喜文展』」が開催される。

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 夏休みに向け企画した同展。これまでも夏休みの展示としてファミリー向けに「仮面ライダー展」や「ウルトラマン展」などを行ってきた。今年は今までに開催してこなかった、スタジオジブリの展示を開催しようと交渉。館長や学芸員の熱意が伝わり、開催にこぎつけた。

 近藤喜文さんは「赤毛のアン」や「火垂るの墓」などの作画監督やキャラクターデザインを務めたアニメーター。メリハリのあるアクションから細やかな生活芝居まで手がける高い技術で、多くのアニメーターに影響を与えてきたという。今回はスタジオジブリの全面的な協力の下、近藤喜文さんが関わったアニメーションの原画やイメージボードなど約500点を展示する。

 「ルパン三世」や「未来少年コナン」などのスタジオジブリ以前の初期に関わった作品から、最後に手がけた「もののけ姫」まで、時代を追って展示する同展。スタジオジブリ作品では「火垂るの墓」や「おもひでぽろぽろ」、「魔女の宅急便」、「耳をすませば」などがあり、キャラクターのデザインやイメージボード、原画などが並ぶ。唯一の長編監督作品「耳をすませば」では絵コンテやキャラクター設定、セル・背景原画も展示するほか、フォトロケーションも設置。「耳をすませば」に登場する地球屋のバルコニーから見た景色を再現した横幅約5メートルのコーナーを設け、写真撮影をすることができる。さらに登場キャラクター「月島雫」の声優を務めた本名陽子さんの音声ガイドもあり、展示の各所には同作品に登場するネコ「ムーン」のシルエットがあり、ムーンに付いていくと会場を一周できる設定になっているという。

 スタジオジブリ以前の作品の「赤毛のアン」は独立したコーナーを設け、イラストや設定画集、秀作、キャラクターのしぐさのスケッチなど幅広く展示。ほかにも、日米合作映画「リトル・ニモ」のために作成したパイロットフィルムも上映する。

 「千と千尋の神隠し」に登場するキャラクター「カオナシ」と写真や握手のできるイベントや、スタジオジブリのスタッフの講演会なども用意。「生の声を聞くことのできるいい機会。物販スペースもいつもより拡充して多くの商品を用意している」と学芸員の水野歩美さん。「アルファベットタイル」や「刺しゅうブローチ」などの同展限定商品の販売も行う。

 「近藤喜文さんの作品は人間同士のドラマのような作品が多く、大人の人にも楽しんでもらえる展示になっている。昔を懐かしんでもらえたら」と水野さん。「スタジオジブリが好きな人やアニメが好きな人、いろいろな人に楽しんでもらえるはずなので、この夏はぜひ当館に来ていただきたい」とも。

 開館時間は9時30分~17時。6月23日のみ10時30分~17時。月曜休館(8月、9月は無休)。料金は、大人=1,300円、高校・大学生・専門学校生=800円、小・中学生=600円。カオナシイベントは7月29日と8月11日。スタジオジブリ講演会は7月21日。9月9日まで。

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