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浜松の秋野不矩美術館に茶室 自然に調和する個性的なデザイン

地元の自然素材を使い個性的なデザインの茶室「望矩楼」

地元の自然素材を使い個性的なデザインの茶室「望矩楼」

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 茶室「望矩楼(ぼうくろう)」の公開が8月4日、浜松・二俣町二俣の秋野不矩美術館(浜松市天竜区二俣町二俣、TEL 053-922-0315)で始まった。

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 天竜区出身の日本画家で文化勲章を受賞した秋野不矩さんの作品や、現代画家の美術作品の展示などを行ってきた同館。今年4月に20周年を迎え、20周年記念特別展として同館を建築設計した建築家・藤森照信さんの「藤森照信展」を8月4日から開催。併せて茶室も公開した。

 藤森さんが建築設計した同茶室は高さ約6メートルで、同館の敷地内に屋外展示として建設。広さ約3畳で、高さ約3メートルの茶室を約2.8メートルの3本柱で支えている。今までにも数々の茶室を手掛けてきた藤森さんは、自然素材を使い周りの景観に調和する建築をしてきた。同茶室も天竜のヒノキを使い、地元の小中学生が手で曲げた銅板で屋根や壁を覆った。手曲げをすることで表面に起伏を出す工夫も凝らす。丸みを帯びた茶室のフォルムは生き物のようで、天竜のイノシシにも見えるという。銅板の取り付けは地元の高校生が行い、施工には地元の大工が協力し、約2カ月で完成させた。建築の歴史研究も行う藤森さんは昔の工法や建築と人々の関わりも大切にし、同茶室も地元の人たちの力を借り、完成にこぎ着けた。

 特別展では藤森さんが日本や海外で手掛けた建築の写真パネルやスケッチ、模型などを約100点展示。自然素材にこだわる建築が多いため、素材の見本の紹介もする。メインの展示室では秋野不矩さんの代表作9点も特別出品として展示する。

 「茶室は個性的な建築物なので度肝を抜かれるが、親しみやすく面白い。来館した人たちは『何だこれは』と驚く人も多い」と学芸員の鈴木満広さん。「建築当初は銅板がきらきらと輝いていたが、すでに黒みがかってきて落ち着いてきた。うまくいけば銅が緑色にさびた経年劣化も楽しむことができる」とも。

 開館時間は9時30分~17時。特別展料金は大人=800円、高校生=500円、小中学生=300円。9月17日まで。

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