浜松の老舗ソースメーカー「鳥居食品」(浜松市中区相生、TEL 053-461-1575)が2月8日、「山椒ソース」の販売を開始した。
天竜区の春野町は山椒の栽培が盛ん。約6年前に農家から山椒のソースを作ってほしいという依頼を受け、山椒を使った「天狗ソース」を開発したが、社長の鳥居大資(だいし)さんは山椒の香りを最大限に生かしきれていないと考えていたという。近年、直売所で天狗ソースを購入する人が増え、にわかに山椒ブームが来ていると感じた。山椒好きの人のために香りを最大限に引き出したソースを作ろうと再開発を決意。春野町産の山椒を使った上品な山椒ソースとして販売にこぎ着けた。
春野町は、水はけが良く、水脈もあり、山椒の栽培に適している。中国産の強くしびれる辛さの山椒とは違い、上品な香りと辛さが特徴だという。山椒は水や熱、酸に弱く、反応すると香りが失われてしまうため、山椒の実を製造直前に粉砕し、すぐに油に混ぜることで山椒の香りを閉じ込めた。山椒の香りを邪魔しないよう、油は香りのおとなしい米油を採用。油に漬け込んだ山椒を製造工程の最後に入れ、最低限の加熱に抑えることで、風味が失われないよう工夫した。
同社の中濃ソースをベースに、山椒の爽やかな香りのする同ソース。山椒はかんきつ類のため、ささみフライやカキフライなど揚げ物によく合い、レモンを絞ってかけたいようなフライにはぴったりだという。「山椒といえばウナギを思い浮かべる人も多いはず。ウナギの天ぷらにかけると、ソースの爽やかさで天ぷらの油っぽさ感じることなく食べられるのでお勧め」と鳥居さん。「今までの天狗ソースも山椒好きな人たちに好評だったが、今回はさらに山椒の香りを楽しむことができるソースに仕上がった。いろいろな食べ物にかけて食べてもらいたい」とも。
価格は200ミリリットル=600円。