![店主の古賀樹さん](https://images.keizai.biz/hamamatsu_keizai/headline/1562240256_photo.jpg)
6月にオープンした鮮魚店「樹(いつき)」(浜松市西区大平台、TEL 053-488-8875)が、1日1組夜限定ですしコース料理を提供している。
愛知県出身の店主の古賀樹さんは、鮮魚店で長年働いてきた。浜松で働いていた際、愛知県とは客の反応が違い、質の高い魚に対して正当な評価ができ、魚好きの人が多い街だと感じたという。浜松で店を出したいと考え店舗を探していたところ、理想の物件を大平台に見つけ開業を決意。一人一人の客に最高のおもてなしをしようと、1日1組夜限定のコース料理を提供する鮮魚店としてオープンした。
店舗面積は約12坪。テーブル6席を用意。店内中央に魚売り場を設け、夜はネタケースに切り替える。その横をキッチンに組み換え、客の前で対話しながら調理する。仕事の中で料理は多少の経験はあったが独学で学んできた古賀さん。「大きな店にしてしまうと、一人一人の客に満足の行く料理を提供できないと思った。個性を出し、良いと思う最高のものを提供したいのでこの規模の店を選んだ」と話す。
夜はすしを中心にしたコース料理(8,640円)を提供。鮮魚店で長年働いてきた経験を生かし、地元に限らず、全国の旬で良い魚を選び抜く。料理に適した質や大きさ、鮮度を見極め市場で魚を買い付ける。コースの内容はすべてお任せで、それぞれの魚にあった調理方法で、魚を寝かせて熟成し、最大限にうま味を引き出した状態で提供。古賀さんは「赤酢のシャリには鮮度の良い魚よりも熟成させたネタのほうがよく合う」と古賀さん。
最初につまみの料理を約5品出し、その後、すしを一皿一貫ずつのスタイルで提供していく。赤イカやキスなどの薄味のものから出していき、マグロ、穴子、卵、汁物の順で提供。全て含めると約25品。古賀さんは「出張料理人が自宅に来たかのような感覚で食べていってもらいたい」と話す。
ランチ営業時には約20種類の魚介類が入った「ばらちらし」や「刺し身定食」(以上2,000円)を提供。旬の魚やその日に仕入れたものなど鮮度の高い物を使い、具材は毎日変更。テークアウトもできる「三色おぼろ鮨」(1,000円)や「太巻とかんぴょう巻」(780円)なども用意する。ショーケースの中の魚を選び、刺し身やすしにすることもできる。注文後に調理を始め、出来たてを提供することにこだわる。
「週末に魚好きの男性客が多く来店する。浜松には魚好きや詳しい人が多い」と古賀さん。「そういった客から意見を聞き、課題を見つけ、成長していきたい」とも。
営業時間は11時~20時。木曜定休。