浜名湖体験学習施設「ウォット」(浜松市西区舞阪町弁天島、TEL 053-592-2880)で春特別展示「へんちくりんすいぞくかん~ウォット春のヘンまつり~」が開催されている。
同施設で定期的に行われている特別展示。近年、『ざんねんないきもの辞典』(高橋書店)シリーズが注目されていることや、ほかの水族館でも変わった生き物を取り上げた展示が行われていることから、テーマを「へんないきもの」に決定。浜名湖から駿河湾に生息する生き物や深海魚、標本などを集め、展示を行っている。
浜名湖に生息し、春から夏にかけて見ることができる「カエルアンコウ」。胸びれの形が変化しており、地面について足のような役割を果たす。頭から釣り糸のようなものを垂らし、その先には疑似餌のようなものがついていて、釣りをする感覚でエサを食べるのも特徴的。目が赤いことからその名がついた「アカメ」は、幻の魚ともいわれ、同施設でも手に入ったのは4~5年ぶり。「ムラサキウニ」は、野菜や海藻を好んで食べることから、同展示では、キャベツを食べる様子を見ることができる。ほかにも、ダンゴムシのような形の「オオグソクムシ」や、山菜のゼンマイのような形をしたものがたくさんくっついている、ヒトデの仲間の「テズルモズル」といった深海生物など、形や生態が変わった生き物8種30匹を展示する。
同展示のために珍しい標本も用意。浜名湖にいるという記録はあるが、20年ほど目撃情報がない「マンボウ」や、普段見ることの少ない体長約2メートルの大きなサイズの「ミツクリザメ」、サメの仲間で古代魚の「ラブカ」の標本などをそろえる。県内や愛知県の水族館から借りたものもあり、特別展示の期間しか見ることができないものもある。ほかにも、「へんちくりん図鑑」と呼ばれるワークシートも用意。特別展示以外の水槽にいる変わった生き物を探し、名前が書き込めるようになっている。
「浜名湖エリアには800種類の生きものがいるといわれている。その中から変な形や変な生態を持つ生き物を集めたので、どこが変なのか興味をもって見てもらえたらうれしい」と飼育員の工藤隆馬(たかま)さん。「1月からリニューアル工事を行っていた大水槽も公開しているのでぜひ遊びにきてほしい」とも。
開催時間は9時~16時30分、月曜休館。入館料は、大人=320円、高校生以下・70歳以上無料。5月10日まで。