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浜松市街地のビル屋上で養蜂 街中の花々から採れたはちみつで活性化に貢献

浜松城公園など市街地の花々から集められたはちみつ

浜松城公園など市街地の花々から集められたはちみつ

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 はちみつ専門店「長坂養蜂場」(北区三ケ日町下尾奈、TEL 053-524-1183)が、中心市街地の「KAGIYAビル」(中区田町)の屋上で養蜂を行い、2回目の採蜜が行われた。

遠心分離機を回して蜂蜜を絞る様子

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 浜松市が主催する企業版リノベーションスクールに参加している同社。市街地活性化の手伝いができればと考えていた。街中の「KAGIYAビル」屋上を活用して養蜂を行い、採れたはちみつを市街地の飲食店に活用してもらうプロジェクトを企画。5月1日に2つの巣箱を置き、養蜂を開始した。

 今回の養蜂に利用したセイヨウミツバチが蜜を求めて動く範囲は半径2キロ程度。市街地は自然が少なく、主な蜜源が浜松城公園や馬込川周辺に限られるため、蜜が集まりにくいのではという懸念もあった。しかし、14日の初しぼりでは、予想を上回る約15キログラムのはちみつを採取。25日に行われた2回目の採取では、巣箱の3段目にある前回たまり切っていなかった部分の蜜も採れたことから、約30キログラムを採取。市街地という環境での養蜂の可能性が広がった。

 はちみつは、レンゲやミカンなど一つの花だけから採れるものが一般的だが、今回採れたのは、さまざまな花の蜜が集められた「百花(ひゃっか)はちみつ」。オレンジ色が濃く、癖や苦みがあることも多いが、今回は黄色に近い透き通った色で、「食べたときもすっきりとした味わいで、パンやヨーグルトなど、さまざまな食べ物に合いそう」とデザイン室広報担当の加藤隆康さん。飲食店が新型コロナウイルスの影響で大きな打撃を受けていることもあり、6月末までに採れたはちみつは、いくつかの飲食店に無償で提供する。

 今後は、1週間から10日おきに巣箱の様子を確認し、蜜のたまり具合に応じて採蜜を行う予定。来期についても検討しており、子どもたちに養蜂見学や体験をしてもらえることも視野に入れている。「今回養蜂を行ったことで市街地でもみつばちが共生できる環境があることが分かった」と加藤さん。「浜松市の市街地でしか採ることができない風味と味のはちみつになった。みんなで知恵を出し合って、食の楽しみを通じて市街地活性に役立てていければ」とも。

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