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浜松・豊岡町で桃を使ったクラフトビールの製造 農業を通じて循環型社会への取り組み 

「まるちち本舗」の代表の武藤義弘さん(右)と一緒に農業に取り組む友人

「まるちち本舗」の代表の武藤義弘さん(右)と一緒に農業に取り組む友人

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 農業を通じて循環型社会を作るための取り組みを行う「三方原アグリ」(浜松市北区豊岡町、TEL 053-523-8986)が、桃のクラフトビールを監修。「オクタゴンブリューイング」が製造し、販売を開始した。

 27年ほど前から、ネギの栽培を中心に農業を行っている同社。作物を作っているとどうしても端材が出てしまうため、有効活用できればと考えたと同時に、土地に肥料を追加しても次の年も肥料を追加しなければいけないことがもったいないのではと考えるようになった。こうした背景があり、6年ほど前から植物性乳酸菌を使った肥料づくりを開始。通常捨ててしまう残渣(ざんさ)や有機物を乳酸菌で発酵させて、その肥料を使って栽培を行っている。

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 乳酸菌発酵肥料は液体で、土地にまいてから軽く耕すだけで良いため、労力もそれほどかからず、土壌の改良にもつながり、空気と水、土のバランスが取れて、畑の通気性が良くなるという。同社が目指しているのは循環型の社会。将来的に、食品工場や学校給食などで出た廃棄を乳酸発酵処理して肥料にし、その肥料で野菜を作り動物を育て、作った作物を食品工場や学校給食で使ってもらうという流れをつくることを目的としているという。

 そんな中、同社でも扱う植物性の乳酸菌で作った乳酸菌発酵肥料を使い、桃を育てている山梨の農家が、B級で廃棄するしかない桃を抱えていることを知った専務の神谷光男さん。食べ物を大切にしたいと思い、その桃を何かに活用できないかと考えた。以前より、循環型社会をつくりたいという同社の取り組みに賛同した友人7人が週末に農業を始め、指導を受けながら同社のビニールハウスでジャガイモを生産している。その中の「まるちち本舗」代表の武藤義弘さんが協力し、桃のクラフトビールを作ることを検討。地元のビール醸造所「オクタゴンブリューイング」(浜松市中区)に桃を持ち込み「発行桃麦酒」を400本ほど製造した。

 麦芽、ホップ、酵母を使った同麦酒は、ほのかな桃の香りがあり、口に含むとビールの苦みと桃の甘さが感じられる仕上がり。内容量は330ミリリットルで瓶に入っており、販売価格は800円。「次回は、浜松産の果物や野菜を使ったクラフトビールを作りたいと考えている」と武藤さんは話す。

 「農業もコスト削減や労力を減らすことが可能。ゴミとして捨てられてしまうものもうまく利用すれば資源になる」と神谷さん。「もし食べ物を残してしまっても、肥料にすればまたおいしい食べ物が作れる。こういった循環型の取り組みに賛同してくれる農家さんが集まってほしいと思う。興味があれば、武藤宛に連絡してほしい」と呼び掛ける。

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