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浜松・湖東町に古民家を改装したレストラン 老舗製油会社の油の魅力を伝えたいと

「ゑふすたいる」オーナーの藤田さん(左)と「村松製油所」社長の木下さん(右)

「ゑふすたいる」オーナーの藤田さん(左)と「村松製油所」社長の木下さん(右)

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 レストラン「古民家キッチンゑふすたいる」(浜松市西区湖東町、TEL 070-1425-2552)が、6月10日オープンした。

低温真空調理で作る「三ヶ日牛のローストビーフ」

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 ごま油や菜種油などの食用油を製造・販売する「村松製油所」(西区湖東町)の新事業。今年で創業149年を迎える同社は、取引先のほとんどが外食店や食品メーカーのため、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、厳しい経営環境が続いている。社長の木下伸弥さんは、状況を打開するため何か新しい事業を始めようと検討し、創業家が住居として使っていた古民家を改装し、店舗として利用することを決意。店舗の運営は、同社と取引のあった中心市街地の飲食店「WINE&JAPANESE GRILL FUJITA(ワインアンドジャパニーズグリルフジタ」(中区松城町)オーナーシェフの藤田隼介さんに依頼した。「油は主役ではなく食事の引き立て役だが、当社の油の魅力を最大限生かしてくれるだろうと考え、信頼する藤田さんにお願いした」と木下さん。街なかの飲食店は厳しい経営環境が続くため、郊外への出店も検討していた藤田さんは、木下さんの提案に賛同し、同店のオープンにこぎ着けた。

 店舗面積は約10坪で、テーブル席14席を用意する。築120年の建物のため、建築物としての安全性を確認しながらも、できる限り当時の趣をそのまま残せるよう配慮し改装。白い塗り壁を基調に、柱や梁(はり)、天井などは濃い茶色で塗り、レトロで落ち着いた雰囲気に演出した。

 白ごま油やラー油など、同社の油を使う料理を中心に、デザートの提供や油の販売も行う同店。地元ブランド牛を使う「三ヶ日牛ローストビーフ」(1,200円)は、素材の持つうま味や栄養を逃さないように温度と時間を徹底管理し、真空低温調理で仕上げる。霜降りと赤みのバランスの良い「イチボ」と脂が少なくあっさり食べられる「ランプ」の2種類の部位から選ぶことができる。流通量が少ないという地元産ブランド豚を使った「浜名湖竜神豚ローストポーク」(1,000円)も、真空低温調理でコクや甘みのある脂を感じられるように仕上げる。このほか、中はしっとり、外はカリッとした食感を楽しめるスイートポテトのような味わいの「自家製さつまいものフライドポテト」(550円)や、卵黄と練乳をふんだんに使い、生クリームをのせた濃厚なプリン「しっとり濃厚プリンカラメルクラッシュ添え」(430円)などを用意する。

 新型コロナウイルス対策として、来店時に手指のアルコール消毒と検温を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。店内は、窓を開放し常に換気を行う。

 来店客からは「自然に囲まれた静かな場所の古民家でゆっくりと過ごせる」「お肉の質が良く、やわらかくて食べやすい」などの声が届いている。今後は、油を量り売りするオイルバーや油作りのワークショップを開催する工房や、同社内の工場見学の一般公開も計画している。藤田さんは「素晴らしいロケーションの中で落ち着いて食事を楽しんでもらいたい。レストランでの食事以外の楽しみも今後計画しているので、ドライブがてら気軽に立ち寄ってほしい」と話す。

 営業時間は11時~17時(フードメニューは15時まで提供)。月曜、火曜定休。

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