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浜松の平野美術館でスイーツデコアート展 うなぎパイを使った浜松らしい新作も

うなぎパイを使った新作と、学芸員の実乃里さん

うなぎパイを使った新作と、学芸員の実乃里さん

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 特別展「渡辺おさむーお菓子の美術館にようこそー」が現在、浜松・元浜町の平野美術館(浜松市中区元浜町、TEL 053-474-0811)で開催されている。

渡辺おさむさんの代表作のひとつ「Unicorn」2014年

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 本物のようなお菓子や果物のスイーツデコアートを制作し「アート界のスイーツ王子」と呼ばれている渡辺おさむさん。今ではスイーツデコという言葉が一般的になっているが、それがはやる前からスイーツデコアートに取り組んでいる第一人者として知られている。2年ほど前も、小田急百貨店(東京都新宿区)で展示会を開催。その際、ワークショップに参加した学芸員の平出実乃里さんが、同館での展示会開催を打診。渡辺さんは、ポップでかわいらしさを前面に出した作風だが、同館は比較的年齢層が高い来館者が多いこともあり、シックで重厚感のある展示会として企画。渡辺さん自身も同館を訪れるなど、何度もやり取りを重ね今回の開催にこぎ着けた。

 美術作品のオマージュを中心に、渡辺さんがこれまで手掛けた100以上の作品を展示する同展。今回は、渡辺さんが「浜松らしい新作が作りたい」という思いもあり、緒方光琳や俵屋宗達など琳派(りんぱ)作品のオマージュとなる「うなぎパイ燕子花(かきつばた)図」を、同展のために新たに制作。カキツバタと共に、通常は八橋と呼ばれる橋が描かれるが、春華堂(中区神田町)の協力を得て作ったうなぎパイを橋に見立て、配置した作品とした。ご当地ならではの展示として、浜名湖や駿河湾など静岡県の形の土台を作り、その上に家や塔などの作品を展示したスペースも用意。「ユニコーンの部屋」には、神話に登場する生き物ユニコーンをテーマとした作品を展示しており、「クリームが均一に塗られているが、これは根気のいる作業。渡辺さんの丁寧な作品の作り方が出ている」と平出さん。ほかにも、尾形光琳の「紅白梅図屏風」やロダンの「考える人」などをオマージュした作品や、キリンや象、パンダなどの動物をモチーフとした作品もそろえた。

 新型コロナウイルスの対策として、スタッフはマスク着用、手指消毒を徹底。展示室入口付近に手指用アルコール消毒を用意。トイレや手すりなど、手が触れる部分は定期的にアルコール消毒清掃を行う。室内が過度に混み合わないよう、入館者の人数制限も行っている。

 平日は、年配夫婦や女性同士で訪れる人が多いが、休日には家族連れも多く訪れており、「良かった」と声を掛ける人や、全館写真撮影可能であることから写真を撮る人も多いという。「重厚感を出すため、チラシの紙を分厚くし、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』のオマージュ作品を前面に出した」と平出さん。「うなぎパイを使った新作や、お菓子にまみれた動物もたくさんいるので、さまざまな世代の方に見てもらえれば」とも。

 開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館料は、大人=800円、中高生=300円、小学生=200円。小中学生=土曜・日曜のみ無料。8月15日まで。

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