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浜松・二俣町に完全無添加アイスクリーム店 フードロス問題解決の一翼を担いたいと

「子どもから年配者まで楽しめる店にしたい」と話す店主の西村さん

「子どもから年配者まで楽しめる店にしたい」と話す店主の西村さん

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 アイスクリームとインテリア雑貨を販売する「包(パオ)商店」が6月18日、浜松・二俣町にオープンした。

フードロスを防ぐ素材を使うアイスクリーム

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 家具や雑貨のデザインや制作を行い、空間デザイナーとしても活動している店主の西村紀彦さん。一昨年、天竜浜名湖鉄道二俣本町駅の駅舎内で営業するホテル「駅舎ホテル INN MY LIFE(インマイライフ)」をプロデュースしたことをきっかけに、二俣町の魅力にひかれるようになった。「ゆっくりと時間が流れ、人柄が良いのがこの街の魅力」と西村さん。知人の紹介を受け、同地をオフィスとして利用するようになったが、人の流れが少ない街を活性化するビジネスモデルとなる店を作りたいと考え、小売店の開業を検討。フードロスを防ぐために、通常は廃棄してしまう野菜などを材料として使うアイスクリームと自身が手掛けるインテリア雑貨を販売する店として、オープンすることにした。

 店舗面積は約20坪。カウンター席4席とテーブル席8席、8人掛けのベンチを用意する。元々旅館だった木造の建物を店主自らデザインと改装を行った。ペンキで塗られた白い土壁を基調に、モルタルのカウンターや木材の家具を使い、古い建物ではあるがシンプルでモダンなイメージに仕上げた。

 フードロス問題を解決する一翼を担いたいと、流通規格に合わないため出荷することができず廃棄してしまう野菜や、ワインや日本酒を作る過程で出る搾りかすなどを材料に使うアイスクリームを販売。無添加にこだわり、香料や増粘安定剤などの添加物は使わない。

 アイスクリームのフレーバーは、季節や日によって異なるが、常時10種類ほどをそろえる。栽培の途中で間引かれた人参を葉っぱごと素材として使う「間引き人参」は、ほんのりとニンジンの香りが広がり、さっぱりと爽やかな味わいに仕上げる。「酒かすと日本酒」は、千葉県の酒蔵「寺田本家」で日本酒を醸造する際に出る酒かすを使う。酒かすの粒の食感はそのままだが、日本酒も加えるためアルコールの風味も感じる。鎌倉にあるパン工房がサンドイッチを作る際に出るパンの端を使い混ぜた合わせたアイス「パン・ド・ミミ」は、パンの風味をそのまま楽しめる。料金は、「シングル」(480円)と「ダブル」(700円)。ハーフサイズの「キッズ」(250円)と「キッズダブル」(450円)も用意する。

 同店では、西村さんが手掛ける雑貨も販売する。「ブルートゥース コンソールオーディオ」(22万円)は、ムク材の箱型収納家具の中にスピーカーとアンプを内蔵。オークやホワイトアッシュ、ブラックウォルナットなどから木材を選べる。水は入れることができないため、ドライフラワーなどを挿して楽しむ一輪挿し「ドライフラワーベース」(6,600円)は、ナラの木を旋盤(せんばん)で削り、美しいを曲線にかたどる。ウォルナットやブラックチェリーなどのムク材で作る「ウッドプレート」(7,700円)は、食品やアクセサリーを乗せたり、インテリア雑貨として飾ったりと、用途を選ばず使う人が自由に楽しめる木製の皿。通常、木の皿は製造過程で廃棄するところが多くなってしまうが、ロスを減らすため分厚く加工する。

 新型コロナウイルス対策として、来店時に手指のアルコール消毒を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。店内は、常に窓を開け換気を徹底する。

 オープン間もないが、アイスクリームの売れ行きは好調で、連日完売が続いているという。今後は、期間限定ストアを定期的に開催し、知人の作家による雑貨や食品の販売も計画している。「子どもから年配者まで楽しめる店づくりを目指している」と西村さん。「自然に囲まれた魅力的な街なので、ドライブがてら気軽に立ち寄ってもらいたい」とも。

 営業時間は12時~18時。金曜・土曜・日曜のみ営業。

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