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浜松・高丘東のスペイン料理店が10周年 脱サラし夢をかなえ

オーナーシェフの西原朗さん(右)と妻の掌子さん(左)

オーナーシェフの西原朗さん(右)と妻の掌子さん(左)

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 スペイン料理店「tio akira(ティオアキラ)」(浜松市中区高丘東、TEL 053-523-6520)が7月14日、開店10周年を迎えた。

プリプリの食感に仕上げる「エビのアヒージョ」

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 オーナーシェフの西原朗さんは、高校卒業後に製造業などで勤務していたが、料理人になりたいという夢をかなえるため、38歳で当時勤めていた会社を退職し、調理師専門学校に通い始めた。当初はフレンチシェフになろうと考えていたが、アルバイト先のスペイン料理店でその魅力にひかれていったという。「当時はまだあまりなじみが無かった分野だったため、初めてまかない料理を食べた時に、おいしさに衝撃を受けた」と西原さん。専門学校卒業後は、アルバイト先の店に就職し4年間勤務。その後もさまざまな飲食店で修業を重ねた。2011(平成23)年に、妻の掌子さんと、夫婦で営むスペイン料理店として、同店をオープンした。

 店名の「tio」は、スペイン語で「おじさん」の意味。同店は住宅街に立地するため、仕事帰り気軽に立ち寄れるような、親しみやすい店になるよう思いを込め命名した。「オープン当初はまだスペイン料理の知名度も低く、決して順調なスタートではなかった」と西原さんは振り返る。徐々にではあるが「気取らないスペイン料理店」という評判が広がり、同店の味を求めて利用する常連客が増えてきた。現在はコロナ禍の影響で厳しい経営環境が続くが、応援してくれる常連客に支えられ、無事に10周年を迎えた。

 スペインの代表料理の一つでもあるオイル煮「エビのアヒージョ」(810円)は、パプリカオイルを使いエビのプリプリの食感を楽しめる。「他店とくらべても、当店のアヒージョが一番おいしいと自信を持っている」と西原さん。スペイン産の豚肉の生ハム「ハモンセラーノ」(820円)は、注文を受けてから1枚1枚スライスする。切りたてを提供することでうま味や風味を逃さず提供できるという。ホタテやエビ、ムール貝などを使った「海の幸のパエリア」(国産米=2,470円、スペイン米=2,970円)は、魚介から出るうま味を米の中に閉じ込める。モチモチの食感の国産米と、歯ごたえのあるパラパラの食感に仕上がるスペイン米の2種類から選ぶことができる。このほか、大きめで食べごたえのあるマッシュルームの中に、みじん切りしたチョリソーとニンニクを詰めて焼き上げる「マッシュルームの陶板焼き」(820円)などを用意する。

 新型コロナウイルス対策として、来店時に手指のアルコール消毒を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。店内は常に換気ダクトを動かし、窓を開放することで換気を徹底。飛まつ防止のため、各席の間にパーティションを設置する。密を避けるため、通常よりテーブル数を減らし営業している。

 例年、周年記念のイベントを開催してきたが、昨年はコロナ禍の影響で中止。今年は、10月にプロダンサーとギタリストによるフラメンコライブを開催し、屋外での記念パーティーを計画しているという。「良いお客さんに支えられ今まで続けてくることができたので、感謝している」と西原さん。「地域に愛される店として、これからも20年30年と長く店を続けていければ」とも。

 営業時間は17時30~22時。火曜定休。

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