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浜松・二俣のカフェが10周年 かき氷で天然氷の魅力伝える

「天然氷を味わってほしい」と話す店主の竹田さん

「天然氷を味わってほしい」と話す店主の竹田さん

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 カフェ「Fucu cafe(フクカフェ)」(浜松市天竜区二俣町、TEL 053-925-8511)が6月16日、オープン10周年を迎えた。

日光天然氷のかき氷

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 店主の竹田要守さんは、2009(平成21)年4月にコーヒーの移動販売店を開店。同年夏、栃木県日光市の天然氷の存在を知り、その歴史や製造方法に感銘を受けた。当時、静岡県内でこの天然氷を使うかき氷店はなかったというが、多くの人に知ってもらいたいと販売を始めた。「かき氷の相場が1杯200~300円だった当時、600円で販売したため、売り上げが伸びず苦労した」と竹田さん。来店客と対面しながら天然氷の魅力を説き続け、少しずつファンが増えていったという。3年ほど移動販売を続けたが、いつでも提供できる拠点を設けたいと考え、同店をオープン。店名は「福を持って帰ってもらいたい」と思いを込め命名。4月から10月ごろまではかき氷専門店、それ以外のシーズンは、ハンバーガーやワッフルなどを提供するカフェとして運営している。

 かき氷には、「現在日本に数カ所しかない」(竹田さん)という天然氷の蔵元の1つ、「四代目徳次郎」(栃木県)の氷を使う。天然氷は、湧き水などを採氷用池に引き込み、冬の厳しい寒さを利用してゆっくりと凍らせた氷。ゴミやほこり、雪を取り除く作業を毎日こまめに行うことで、不純物が少ない固く透明な氷になるという。竹田さんは、冬場には日光へ足を運び、天然氷づくりの手伝いをしている。「古くは平安時代から食べられてきた氷。天然氷の歴史や背景を知ってから食べると味わいが違ってくる」と竹田さん。店内では3年ほど前から天然氷づくりの動画を流して、その魅力を伝えている。

 ふんわりと綿菓子のような食感に仕上げた氷に、地元の旬の食材で作る自家製シロップと練乳、特製の蜜を添えて提供する。「いちご」や「ブルーベリー」などの定番メニューをはじめ、練乳を2倍かけた「練乳」やオーガニック茶を生産・販売する「茶空民」(春野町)の茶葉を使った「和紅茶」(以上、1,200円)などを用意。このほか、「ぜいたくみかん」や「キャラメル」など「期間限定メニュー」(1,500円)もそろえる。また、「もう少し食べたい」という来店客からの要望に応え、今年から新たに「追い氷」(300円)を用意する。

 新型コロナウイルス対策として、来店時に手指消毒とマスク着用を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。店内は、定期的に窓を開け換気を徹底。密を避けるため、混雑する場合は人数制限を設ける。

 「コロナ禍で経営が厳しかった時期も、常連客に支えられ続けてくることができたので、感謝している」と竹田さん。「これからかき氷がおいしい季節なので、天然氷を味わってほしい」とも。

 営業時間は11時~18時(売り切れ次第終了)。月曜・火曜定休。

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