「浜松市立中央図書館」(浜松市中区松城町、TEL 053-456-0234)が8月6日、リニューアルオープンした。
市が1920(大正9)年に中区紺屋町に設立した同館。1945(昭和20)年に戦火で消失し、1950(昭和25)年に同所に再建。現在の建物は、1981(昭和56)年に建設した。建物の長寿命化を図ることで財政負担を軽減し、安全で快適な建築物の提供を目指す浜松市の「公共建築物長寿命化指針」に基づき、建設から40年を迎える節目に大規模改修を決めた。リニューアルの総工費は約11億円。昨年5月下旬から休館し、6月に着工。今年7月に完成した。
2階の天井の大半に地元木材「天竜スギ」を、一部の書棚の側面には「天竜ヒノキ」を使い、木の温もりを感じる空間にデザイン。足音などの雑音が気にならないよう配慮し、従来タイル貼りだったフロアをカーペット敷きにした。
多様なニーズに対応するため3種類の閲覧室を用意。学生などが勉強にも使える一般的な「閲覧スペース」に加え、2~3人のグループでミーティングをしながら利用できる「グループ閲覧室」を設置。文字を書く音やパソコンの操作音のない空間で、集中して読書できるように配慮した「読書室」も設けた。いずれの閲覧室もインターネットの予約システムを導入し、事前に座席を予約できる。
従来の「郷土資料室」と事典などを収容する「参考図書室」を一体化した「調査支援室」は、調べ物がより効率的にできるようにと新設。市民の生き生きとした暮らしに役立つ情報を集めた「医療・健康情報コーナー」は、医療や医学の本をはじめ、浜松エリアの病院案内や広報誌などが並ぶ。このほか、児童書コーナーの近くに授乳室とおむつ替え室、クラッシク音楽のCDやDVDの貸し出しや試視聴ができる「AVコーナー」などを設ける。
館長補佐の山下譲さんは「早く再開してほしいという声にやっと応えることができてうれしい。安全で居心地の良い空間にリニューアルした図書館に、気軽に足を運んでもらえたら」と話す。
開館時間は、平日=9時~19時、土曜・日曜・祝日=9時~18時。第四木曜定休。