イベントスペースを併設した洋服店「ハマラジハイツ」(浜松市中区佐鳴台)がオープンして1カ月がたった。
約10年前から佐鳴台でギフトショップ「ブラウニーギフト」を経営してきた店主の伊藤摂さん。コロナ禍でギフト需要が大幅に減少したことに加え、インターネットの普及で消費行動が変化する中、従来型の店舗ビジネスに限界を感じていたという。
新しいスタイルの店を模索する中で、約40年の歴史を持つ同所「ハマラジビル」に出合った。「長く佐鳴台で商売させてもらったので、何かこの街に貢献したいという思いがあった。このテナントに出合った時に、街の活性化につながるアイデアが次々に浮かんだ」と伊藤さん。人の集まる場を目指し、洋服店をメインに、マルシェや企画展などを定期開催するイベントスペースを併設する同店のオープンを決めた。店名と店舗ロゴデザインは、地域になじみある同テナントに敬意を払い引き継いだという。「ブラウニーギフト」は今後、ギフト需要の高まるシーズンのみ店内でポップアップとして営業する。
店舗面積は洋服店=約25坪、イベントスペース=約25坪。店内は、元々あるテナント持つ風合いを残しつつ、「新しさと懐かしさの融合」をコンセプトに、店主自らデザインした。
常設の洋服店では、新品のブランドアイテムから古着まで、幅広いメンズカジュアルウエアをそろえる。北欧のフィッシャーマンセーターと日本の着物をオマージュした独自のフォームが特徴のニットブランド「YASHIKI」の「クルーネックカーディガン」(3万1,350円)は、コットン製で季節問わず着回すことができるという。和歌山県で約60年続くテキスタイルメーカーが今年立ち上げたばかりのブランド「KANEMASA PHIL.」は、染色から縫製まで自社で手がける「ストライプシャツ」(2万7,500円)や、オリジナルジャガード機で編み立てた機能性と保温性に優れる「アウター」(6万8,200円)を用意する。このほか、ブラウニーギフトで1番人気だった国産ブランド「Hippopotamus」のオーガニックタオルなどもそろえる。
9月17日には初のイベントとしてマルシェを開催。切り絵イラストレーターの「ミッケ」、横浜の懐石料理店が手がけるオーガニック食材で作った焼き菓子店「きじま」、自家焙煎(ばいせん)スペシャルティコーヒー専門店「タイズコーヒー」(北区三方原)などが出店した。
「今後は、職業体験なども計画している。出店にチャレンジする若者を後押しする場にもしていきたい」と伊藤さん。「どのように商店街を活性化させていくか考えるとワクワクする。さまざまな来店客や出店者を迎えることで人のつながりを生み、この街を盛り上げていけたら」と意気込む。
営業時間は12時~19時。火曜・水曜定休。