酒造会社「花の舞酒造」(浜松市浜北区宮口、TEL 053-582-2121)が現在、新年の鏡開きなどで使われる「こも樽(だる)」の出荷作業に追われている。
杉材と真竹で作った同社のたるは花柄のこもを巻くのが特徴。18、36、72リットルの3種類があり、新年に向けては6カ月間ほど熟成させた本醸造を約300個に詰めた。たるの数は昨年に比べると100個ほど増え、このうち72リットル入りの注文が昨年の倍に跳ね上がったという。
同社商品部部長の下村昌さんは「新型コロナの影響で、集まって酒を酌み交わして祝う機会が減り、こもだる文化が廃れるのではないかと心配した。やっとコロナ前の正月の注文水準に戻ってきた」と話す。22日に始めたという出荷は首都圏を中心とした県外向けが一段落した後、終盤は県内向けとして30日ごろまで続けるという。
こもだるとは別に、同社は新年向け商品の準備を進める。このうち純米大吟醸「小仕込み原酒 花の舞」(720ミリリットル入り=3,850円)は12月15日に発売したところ、用意した300本が28日の時点で既に250本ほど売れたという。
下村さんは「作り手としてはおいしく楽しく飲んでもらい日本酒を通じてたくさんの縁を築いてもらいたい」と話す。
本店・直営ショップの営業時間は10時~18時。1月1日、2日休業。