パン店「ブーランジュリータニグチ」(浜松市中央区広沢、TEL 053-523-7707)が2月3日、オープンした。
同店は、2022年1月にオープンした磐田市のパン店「トトカカ」の2号店。オーナーシェフの谷口弘樹さんは、高校卒業後すぐに料理人の道を選び、イタリアンやフレンチ、製パンなどを経験した。産婦人科医院の料理長を務めていた2021年、フランスの料理コンテンスト「マイユ プロフェッショナルクッキングコンテンスト」で銀賞を受賞したのをきっかけに独立したという。「名だたるシェフが参加するコンテストでの受賞が自信になり、夢だった自分の店を開くことを決めた」と振り返る。
当初はレストランのオープンを考えたが、コロナ禍で飲食店を経営するのは難しいと判断。テイクアウト需要を見込みパン店の「トトカカ」をオープンした。来店客の8~9割をリピーターが占めるようになるなど人気を得たが、店舗が小さいため導入したい製パン機材が入らなかったという。より理想に近い店を持ちたいと、2号店として「タニグチ」をオープンした。
店舗面積は約55坪で、販売はテイクアウトのみ。店内は白を基調に木目を使う。
バゲットやライ麦パンなど、フランスの伝統的なハード系のパンをメインに、あんぱんやクリームパンなどの定番メニューもそろえる。
「バゲット」は、製法の異なる3種類(各360円)を用意。フランスで最先端とされる「レスペクチュスパニス製法」のバゲットは、機械ではなく手作業で仕込み、小麦本来のうま味や甘みを最大限に引き出すという。長時間熟成させる「トラディション」、皮が薄くあっさりとした風味の「ディレクト」も提供。「同じバゲットでも作り方によって全く異なる風味になるので、それぞれ楽しんでもらいたい」と谷口さん。ビールを加えて焼き上げるライ麦パン「パンアラビエール」(600円)は、パンとビール酵母の香りを楽しめる。
「メロンパン」(260円)は、ヨーグルトを加えることで歯切れを良くしたパン生地をアーモンド入りのクッキー生地で包む。北海道産小麦粉を100パーセント使う「食パン」(1斤=390円)は、印象に残るパンを作ろうと、開発に2年かけたという。生クリームやバターなどの副材料はできる限り使わず、小麦本来の味を引き出す独自の工夫で焼き上げる。
谷口さんは「今後は、パン業界の世界コンクールでの受賞に挑戦していきたい。浜松発全国区の店になれたら」と話す。
営業時間は6時~15時。月曜・日曜定休。