浜松在住のアマチュアミュージシャンcroll（クロール）さん（44）が、小説「ライフワーク」を自費出版した。

　物語は若い頃にフォークソングに熱中していた主人公が中年と呼ばれる年代にさしかかり、これまで仕事一筋だった人生に一抹の寂しさを感じていた。そうした折、プロのミュージシャンを目指している会社の後輩のまっすぐな生き方に主人公は反発を感じながらも少しずつ理解を示すようになり、自分自身の人生を「ライフワーク」というキーワードで見つめ直す…。

　著者のクロールさんはアマチュアミュージシャンとして30年近く活動を続け、これまでの体験をベースに自身の思いを主人公に投影した自伝的小説に取り組んだ。自身のブログで2007年から少しずつ書きためたものを今回、書籍化した。

　クロールさんは「小説を書いたのもこれが初めて。昔書いたものなので訂正したいところはあったが、当時の『物語を書きたい』という思いを残した話しにした。ネットや携帯でコンパクトにまとめられるのではなく、部屋の棚に並べられる『物』として形になった喜びはひとしお」と話す。「つたなくても、ぎこちなくても外へ発信するものが誰かとの出会いにつながればすてき。『私も小説書いてみようかな？』と思っている人へ多少の勇気を与えられれば」とも。

　同書は書店などで販売する予定なはく、クロールさんのライブ会場で手渡しで配るという。