浜松市立城北小(浜松市中央区住吉1)の児童がデザインし、遠州織物で制作したたこが完成し、12月22日に同校体育館でお披露目式が行われた。
ヤマハ(同市中央区中沢町)が市内の小学校とインドの小学校の交流を目的に行っている「異文化理解・音楽交流プログラム」の一環。同社と同小5年生約60人は遠州織物でたこを作り、インドに寄贈しようと計画した。児童は思い思いにアイデアを出し合って「浜松」をイメージさせるたこのデザイン作成に取り組んだ。
静岡県繊維協会が布地を提供し、「ぬくもり工房」(浜名区染地台)が実際の制作を手がけた。同じように遠州織物を生かしたたこ作りを企画していた浜松市産業振興課や遠州産地振興協議会も全面的にプロジェクトに協力した。
完成したたこは45センチ四方が2つと35センチ四方が1つ。いずれにもピアノやリコーダー、市のマスコットキャラクター「出世大名家康くん」、浜松城、ウナギ、フグなどを伸び伸びと描いた。地域産業のPRに活用するとともに、ヤマハと市それぞれのルートを通してインドに寄贈する。2026年1月にインド西部グジャラート州アーメダバード市で開催されるたこ揚げイベント「インターナショナルカイトフェスティバル」にも参加する見通し。
体育館で行われたお披露目式には、児童のほかヤマハや市の担当者が参加。「ぬくもり工房」が児童に完成したたこを手渡し、児童はヤマハや市の担当者にたこを託した。同小の卒業生という「ぬくもり工房」の大高匠さんは「遠州織物でたこを作るという夢がかなって感慨深い」と話す。
「僕たちの思いをたこ」にしてくれてありがとうございます」と児童代表の木下新一朗さん。「たこにはインドの空高く揚がってほしい」と期待を寄せる。
来年1月20日には城北小とアーメダバード市の小学校をオンラインで結び、互いの文化の紹介やリコーダー演奏も行う。