
イベント「新川朝市」が3月23日、遠州鉄道「第一通り駅」高架下のフリースペース「新川モール」(浜松市中央区田町)で開催される。
主催は、新川モールを指定管理する「HACK(ハック)」。2022年の新川モールオープン時から、地元農家と消費者が直接つながる場を作りたいと構想し、今回初開催にこぎ着けた。コンセプトは「想いのある農家がおいしさを直接届けるマーケット」。地元野菜や果物を販売する生産者やキッチンカーなど19店が出店する。
「街中にマンションが増え人口は増えているが、地域で散歩や買い物をする機会は少ないように感じる」と高林健太社長。新川モールを庭や公園のような場所にしたいという思いから、地域住民が気軽に「地元の良いもの」を購入できる場を提供する。定期開催により「日常にあるもの」として定着させ、地域間の交流を促進する狙いもある。
生産者にとっても、新たな販路を確保する機会となる。新規参入する生産者の中には、販売のノウハウが少ないケースもあり、卸売りだけでなく直売の場を設けることで、消費者の反応を直接感じられる環境を提供する。高林社長は「高価な農産物は都市部へ送られ、地元で良いものを味わう機会が減っている。ただ安いものではなく、価値のあるものを生産していることを知ってもらいたい」と話す。新川モール周辺は飲食店が多いため、オーナーや料理人が朝市で仕入れた食材をその日のメニューに活用するなど、新たな取引が生まれることにも期待を寄せる。
生産者として出店するのは、フリルレタスやグリーンリーフを扱う「しまだ農園」、野菜・ハーブの「NGOMI FACTORY」、ブルーベリーを栽培する「WOOD BERRY FARM」など。飲食ブースには、ベーグル店「ムムム」、モリンガ麺を使う沖縄そばを提供する「オキメモ」、漁師汁を販売する「kiwami水産」などが並ぶ。
今後は、5~7月と9~11月の第2日曜に開催を予定する。浜松駅南側で定期開催される「浜松サザンクロスほしの市」(中央区砂山町)と同じ日程にすることで、街中の周遊を促し、活性化を目指す。
広報担当者の吉田菜緒さんは「生産者だけでは実現できないことを支え、こだわりをそのまま届ける場所作りを手伝えることがうれしい。この朝市が、浜松の食文化に新しいつながりを生むきっかけになれば」と話す。「初回なので、多くの人に来場してもらい、応援してもらえたら」とも。
開催時間は10時~14時。