浜松で遠州綿紬(つむぎ)を若者の目線から発信する「つむぎ女子プロジェクト」のオリジナル商品が現在、「遠鉄百貨店」(中区砂山)で期間限定販売されている。
浜松の伝統工芸品である「遠州綿紬」の魅力を、若者の目線から発信することを目的に今年5月から開始した同プロジェクト。若者離れが進む遠鉄百貨店と、遠州綿紬をPRしたいぬくもり工房、静岡文化芸術大学が産学連携により立ち上げ。「これまで続いてきた遠州綿紬の伝統を守るために、今回限りではなく数年継続して若い世代にもっと遠州綿紬のことを知ってもらいたい」とぬくもり工房代表の大高旭さん。
中心メンバーは静岡文化芸術大学の7人の女子学生で、通常の学生生活では味わえない実践的な学習の場にもなっている。
遠州綿紬は江戸時代に浜松市で生み出された伝統工芸品。遠州地方の綿作りに適した温暖な気候と豊かな自然に加え、動力で織機を動かす「力織機」の登場を経て、現在も伝統が受け継がれている。このプロジェクトが始まるまで、メンバーのほとんどが遠州綿紬を知らなかったが、実際に職人が遠州綿紬を作っている様子を見て、若い世代にもっと遠州綿紬の魅力を知ってほしいと思ったという。
商品は「ハンカチ」12種類(各486円)、「巾着」丸型2種類、角型3種類(各1,080円)、「がまぐちポーチ」6種類(各2,160円)。「巾着」のひもは結んだときにきれいなリボンになるように調整するなど細部までこだわった。「がまぐちポーチ」はぬくもり工房の商品としてもともとあるものだが、今回商品化するにあたり通帳が入る大きさにしたり、薄く仕上げたりと、若者に支持される形に工夫を凝らした。
商品の柄は「粋」「凛」「潤」「陽」「素」「律」という女性を表す文字を当てはめた6つのテーマから成り立っている。柄は、「カワイイ」という言葉をキーワードに、100種以上から各テーマ2種類ずつを選定。「自分に合うテーマを当てはめながら柄を選ぶのがおすすめ」とつむぎ女子の水野由貴さん。今回、一番苦労した点はキーワードの「カワイイ」とは何かを定めることだったという。「皆で1~2カ月ほどかけて話し合った結果、『カワイイ』にはさまざまな形があることに気づき、柄を6つのテーマに分類するきっかけになった」とつむぎ女子の小林茉由さんは話す。
「つむぎ女子プロジェクトを若い世代に知ってもらうことが一番の願い」と水野さん。「遠州綿紬と若い世代をつなぐことができれば」とも。
販売は11月17日まで。