浜松・田町の居酒屋「和根洋彩 園次(そのじ)」(浜松市中区田町、TEL 053-456-3111)が2月10日、障がい者が中心となり作るランチメニューの提供を始めた。
浜松で居酒屋を経営する「ドリームファクトリー」が手掛ける同店。料理に使うホウレンソウを障がい者雇用施設「きてん」から仕入れる。同店オーナーの澤田光行さんが施設の社長と話をした際に「障がい者が働ける整った環境が少ない」という話を聞き、民間企業で障がい者が働ける場を提供するために共同企画した。
料理は精神障がいや軽度の知的障がいをもつスタッフが担当。ダウン症や重い症状を持つスタッフは掃除や焼き鳥の串打ちなど料理の仕込みを担当する。料理の際は健常者のスタッフがサポート。「一般の企業でも仕事をしていけるよう、特別扱いしないことを心掛けている」と澤田さん。
料理は鶏肉を使った定食をメーンに提供する。澤田さんが素材を探した中で一番おいしいと感じた福島県産の軍鶏(しゃも)を使った「軍鶏のすき焼き御膳」(1,500円)や「軍鶏の親子丼御膳」(1,200円)など。施設で作られ、朝収穫した新鮮なホウレンソウもサラダに使用する。スタッフが作業に慣れていくのに合わせてメニューを変更していくという。
「障がい者は特別な存在ではないので、変な先入観を持たずに普通に食事を楽しんでいただきたい」と澤田さん。「民間企業でも障がい者が一般の人と変わらずに仕事ができ、自立していけるチャンスの場が増えていけば」と期待を込める。
ランチの営業時間は平日の11時30分~13時30分。