浜松・細江の舩越造園(浜松市北区細江町、TEL 053-522-2011)が提供する、障害者施設と連携した草取り事業「やさしい草とりサービス」を開始して1カ月が経過した。
同事業は、同社専務の舩越貴久さんが発案。事業化にこぎ着けたのは「日本でいちばん大切にしたい会社」という1冊の書籍との出会いだった。昨年11月、同社を訪れた障害者施設の担当者と話をする中で「授産所で働く知的障害者の1カ月の平均賃金がわずか1万2,000円ということを知ってがくぜんとした」と舩越さん。「何とか自社でもやれることはないか」と考えた。
同書の中で「ルーチン化」することで、障害者を多数雇用し、かつ業績も向上している会社の事例を元に、自社の業務の中で「ルーチン化」できるものを模索。これまで業務として行っていなかった草取りを切り分けることで、事業化にこぎ着けた。
同サービスでは、開始時と終了時に必ず舩越さんが現場に訪れ、作業者と打ち合わせを行う。そのほか、事前の現場確認を施設担当者と行い、当日は作業者と一緒に担当者が同行することで、委託者と作業者のコミュニケーションが図れる状況を作る。
7月のサービス提供から1カ月が経過し、現在10件の受注を受けることに成功。その10件の中には一部上場企業も含まれる。
「開始して1カ月、まだまだ近隣の個人宅の受注が多いが、企業の方にも知っていただき利用してもらいたい」と舩越さん。「最初は作業者も戸惑っていたが、最近は慣れてきたため、作業もスムーズになっている。利用者からも喜びの声を多くもらっている。『ありがとう』と言ってもらうことが彼らにとっても一つの励み。現在は2カ所の障害者施設と連携しているが、今後は受注を増やすことで、より多くの施設と連携し、障害者の状況が改善されれば」と話す。