浜松・千歳町のAny(浜松市中区千歳町)と新浜松駅北側高架下の2会場で5月19・20日、イベント「はままつ染め織りマーケット」が開催される。
浜松市は遠州綿紬(めんつむぎ)や注染染めなど遠州織物の産地で、江戸時代から続く伝統産業。しかし、若者の間では浜松が繊維の街であることの認識が低い傾向にあるという。生産者と消費者をつなげ、遠州織物をPRするために、2年前から地元で活動する遠州織物の作家を集めたイベントを開催。昨年は両日ともに1,000人を超える人が来場。今年はさらに規模を拡大し、体験できる職人ゾーンを設け開催する。
Anyでは作家ゾーンを設置。26の作家が出店し、遠州織物の小物や雑貨、浴衣、洋服などさまざまな織物を販売。遠州織物の高品質で豊かな風合いの特徴を生かした作家こだわりの作品を並べる。中にはおにぎりや魚の型をとった巾着や、長く使えるかぼちゃパンツなど、特徴的な製品を扱う出店者もいるという。
新浜松駅北側高架下には職人ゾーンを設置。遠州織物を生産する企業や団体、18団体が出店。販売だけでなく、注染染めの体験や実演、手織り体験などができる。ほかにもオリジナルコサージュを作るワークショップや、別珍やコーディロイなどの生地を作るための大事な工程「カッチング」を体験できるなど、ワークショップだけで9つ用意。職人の技術の高さを目の前で見ることができる。「浜松は織り、加工など一貫せず、分業している企業が多い。それぞれ技術力が高く、国内外でも高く評価されているという。生産者は消費者と接点があまりなく、生産者側にとっても直接評価を聞けるいい機会」と浜松市産業振興課主任の杉浦健太さん。体験して興味を持ったものを作家ゾーンで購入できることも今年の魅力だという。
「作家の中には他の地域から浜松に来て、遠州織物の魅力を知り活動を始めた人も多い。イベントを通して遠州織物の多様性がわかる。若い人たちに遠州織物に興味を持ってもらうきっかけになれば」と杉浦さん。「着るものや使うものを購入する際の選択肢の一つとして、生地から選ぶという選択肢が増えてほしいと願っている。体験を通して遠州織物の本質的魅力を体感してほしい」とも。
開催時間は10時~17時。