浜松・高丘西の雑貨カフェ「noah noah(浜松市中区高丘西、TEL 053-438-7717)が7月17日、8周年を迎えた。
木工雑貨や陶器、フラワーアレンジ、服飾などシンプルでナチュラルな自然派商品を並べる
店主の福田直子さんの家族は2005年に大きな事故に遭い、後遺症が出て現在もリハビリを続けている。事故がきっかけで、「この後の人生をどう楽しく生きていこうか」と考えた福田さん。カフェ巡りや雑貨が好きだったことから、リハビリの手伝いをしながらも仕事ができるよう、自宅のそばで2010年から隠れ家的にひっそりと雑貨カフェを始めた。
雑貨は好きではあったが店の経営としては素人だったため、当初はネットショッピングでセレクトしたものを販売するだけだった。他の雑貨店と商品が類似してしまうことが多く、始めの3年間は売れ残りがでてしまい苦しかったという。ある時、近所のコーヒー店が作家の紹介をしてくれたことをきっかけに、一点物の手作り作品を多く並べるようになった。浜松や周辺地域の作家とのつながりも増え、現在では約18人の作家作品を販売。ジャムやピーナツバターなどの食品から、木工雑貨や陶器、フラワーアレンジ、服飾などをそろえ、自然派のシンプルでナチュラルな商品を並べる。
店舗面積は約38坪。席数はカウンター3席、テーブル10席の計13席。2階建ての南欧風の建物に、珪藻(けいそう)土の塗り壁のぬくもりのある雰囲気が特徴。店長のイングリッシュゴールデンレトリバー「ノア君」が出迎える。店名もノア君から取り、福田さんが「店長補佐」の設定だという。2階では毎週さまざまなワークショップを開催。今までにキャンドル作りや石けん作り、コーヒー教室などを行い、ガラス工芸の「とんぼ玉」制作は人気があるという。
カフェメニューは「トースト」か「たまごサンド」とドリンクの「軽食SET」と、「日替わりのおやつ」か「焼きプリン」とドリンクの「おやつSET」(以上700円)の2種類。ドリンクは「ブレンドコーヒー」や「渋川産ほうじ茶」「オーガニックフルーツティー」(以上400円)などを提供する。「人を雇ってランチを始めたらどうか」という客からの提案もあったが、ひっそりと営業してきた。「夜にもカフェに来たい」という声もあり、月に1回の「月イチ夜カフェ」を今年の6月から開始。普段は用意していない特別な料理とパフェを提供している。
昨年は家族や自身も体調を崩し、店を閉めようか悩んだという福田さん。「手伝おうか」という声や周りの人からの励ましの声が多く、店を続けていくことを決意。8周年を迎えた先月には創業当初から付き合いのある浜松のカフェ「果報」に出店してもらいイベントを開いた。
「すてきな作家さんを紹介してもらい、店同士のつながりも増え、それぞれの悩みを語り合いながら励まし合って続けてきた。いろいろと勉強させてもらい、人とのつながりのありがたさを知った」と福田さん。「8周年を迎えることができたのも、周りの人に支えてもらったおかげだと思う。当店の雰囲気を気に入ってくれた人たちと一緒にこれからも頑張っていきたい。これからも周りの人たちとの人間関係を大切にしながら、ノアが生きている限りは続けていきたい」とも。
営業日は木曜~日曜。営業時間は11時~17時。月イチ夜カフェはブログやSNSで告知する。