そば居酒屋「蕎麦喜楽 楓庵(浜松市北区初生町、TEL 053-401-0508)」が9月13日、浜松・初生町にオープンした。
祖父がそば店を営み、子どものころは実家に帰る度にそばを食べていた板長の高橋祐樹さん。祖父にとって初孫だったことからかわいがられ、「そば店を継いでほしい」と言われていた。しかし、高橋さんがそばの道に入る前に祖父は他界。その後、18歳から約12年間修業し、いつかは自分の店を持ちたいと考えていた。以前、料理長として勤めていた店のオーナーが高橋さんの実力を買い、出店を打診。祖父の店の名前をもらい、つけそばスタイルのそば店としてオープンにこぎ着けた。
店舗面積は約21坪。カウンター5席、テーブル18席、座敷4席の計27席。ガチガチの和風スタイルではなく、木のぬくもりがありながらもスタイリッシュな店内。ゆっくりと空間も楽しんでもらえるように、居心地のいい雰囲気を作り出したという。大きな窓で外から製麺する姿が見える「そば小屋」も設けた。
そばは香りの良い茨城県の「日立秋そば」のそば粉を使い、北海道産の粗びきの粉をアクセントで入れる。小麦2、そば粉8の二八そばで、食感や歯応え良く仕上げる。麺つゆは、甘さのある昆布や3種類の削り節を使い、そばの香りを邪魔しないように調整。全ての素材に妥協せずこだわったという。メニューは合鴨をじっくりローストし柔らかく食べやすく工夫した「鴨汁つけそば」(1,400円)や、程よい甘みとくどさのない脂身の「夢々ポーク」を使った「夢々ポーク豚汁つけそば」(1,000円)、自家製ごまだれの濃厚でヘルシーに仕上げた「胡麻豆乳つけそば」(900円)などのつけそばをメインに提供。温かい「かけそば」(700円)や冷たい「ぶっかけそば」(890円)なども用意。「桜えびのかき揚げ」や「自家製月見つくね」(650円)のような一品メニューもそろえる。中でも、そばの実と数種類のみそを練り上げた「そばみそ」(以上500円)は日本酒に合い、お薦めだという。
「これからもいろいろなそば粉にチャレンジしていき、つけ汁もそばに合うものをどんどん開発していく予定」と高橋さん。「つけそばは東京でもまだやっているところは多くない。つけそばというスタイルを浜松に広げていき、『つけそばといったら楓庵』といってもらえるように努力していく」とも。
営業時間は18時~翌2時。水曜定休。