NPO「ひずるしい鎮玉(しずたま)」(浜松市北区引佐町、TEL 053-544-1045)が現在、田んぼオーナーを募集している。
引佐町北部の鎮玉地域は高齢化や人口減少が進み、耕作放棄地の増加により美しい里山の風景が失われてきている。2013年から地域活性を目的に河川の環境整備や地域の文化活動をする同団体。遊休農地を活用し米作りに取り組むことで、昔ながらの豊かな里山の環境を取り戻すそうと、5年前から毎年田んぼオーナーを募集。今年も、美しい自然に囲まれた鎮玉の地で米作りをしてくれるオーナーの募集を開始した。
約半年かけて、地域住民の耕作放棄地を借りて米を育てる同事業。1区画約100平方メートルの田んぼを貸し出す。全4回の日程で、初回は5月の田植え。道具や稲の苗は事前に同団体が準備し、田んぼに稲の苗を植える。植え方もスタッフが指導する。第2回は7月に開催し、田んぼの草取りを実施。稲の成長を妨げる雑草を除去するだけでなく、田んぼに足を入れることで田んぼのガス抜きにもなるという。10月の第3回は稲刈りを行い、11月の第4回には精米されたお米でご飯を炊き、おにぎりにして食べる。最後に自分の区画内で収穫した白米25キログラムまたは玄米30キログラムを持ち帰ることができる。
昨年は約350人が参加。市内の参加者が大半を占めたが、高速道路のインターが近いことから名古屋市からの参加者もいたという。参加者の多くは子連れ家族。「子どもたちにいい体験をさせてあげられた」「ご飯のありがたみがわかった」といった大人からの声や、「自分で作ったお米が食べられてよかった」「生き物と触れ合えて楽しかった」など子どもからの喜びの声も多いという。
事務局長の廣瀬稔也(としや)さんは「都田川の源流近くなのでお米もおいしい。自分たちの食べるご飯がどのようにできるか体験してほしい」と話す。
1区画の料金は、個人(10名未満)=30,000円、団体(10名以上50名未満)=50,000円。募集締め切りは4月26日。