浜松の旧元城小学校前地下道で6月7日から、チラシで作った「トルシーダ・ブラジル」の文字が掲載されている。
2020年の東京パラリンピックの事前合宿地である浜松市。パラリンピックに出場するブラジルの選手団約400人を受け入れる。来年8月からの約1カ月間、選手は市内14カ所の競技場や体育館などを使い、練習や体調管理など試合前のコンディションを整える。
選手団を迎えるに当たり、市では3月末からボランティアを1000人募集。ボランティアの人には選手の会場への誘導や競技用品の準備や整備、ドリンクの提供などをお願いするという。6月30日までの募集締め切りに対し、5月中旬で募集人数は200人程度だったという。市のスポーツ振興課職員はもっと告知してボランティアを集めようとさまざまなアイデアを出し合った。大学の授業やサークルや企業の朝礼に出席し、参加の呼び掛けを行うなど地道な努力を続けてきた。さらに市役所の東に位置する同地下道の掲示板を活用し、通行人に呼び掛けようと同課職員が提案。ボランティア募集のチラシを使い地下道の12個の掲示板に「トルシーダ・ブラジル」の文字を作り掲載した。
チラシの配色はブラジルをイメージした黄色と緑で、A4サイズ19枚とA5サイズ42枚を組み合わせて作り上げた同掲示。「トルシーダ」はポルトガル語で応援団を意味する。掲示や呼びかけの努力をした結果、現在応募人数は654名となった。「掲示の効果も少しはあったのではないか。募集は1000人としているが、2000人でも3000人でも多いほうがうれしい」と同課課長の金子哲也さん。対象は高校生以上の市内在住、通勤、通学者で、日本語の説明が理解できる人。応募締め切りを12月末まで延長し、さらなる応募を呼び掛けている。
「障がいのあるアスリートには目に見えない力がある。私たちに感動や夢、希望を与えてくれる。そのような交流体験を市民の皆さんで分かち合いたいと考えているので、ぜひ多くの人に参加してもらいたい」と金子さん。「1回だけの参加でも構わないので、ブラジル選手団の応援をしてもらえたら」と呼び掛ける。