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浜松のソースメーカーが「究極のソース」プロジェクト8年目 「The Sauce 2019」販売へ

究極のソース「The Sauce 2019」

究極のソース「The Sauce 2019」

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 浜松の老舗ソースメーカー「鳥居食品」(浜松市中区相生、TEL 053-461-1575)が12月6日、「The Sauce 2019」の販売を始めた。

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 「究極のソースプロジェクト」として毎年あるテーマに基づいて究極のソースを発表し、今年で8度目の開発となる。初年度から6年連続で開発した商品を販売した同社。7年目となる2017(平成29)年には「とんかつをおいしく食べるソース」をテーマに設定。「マスタードソース」と「ひれカツに合うソース」、「ロースカツに合うソース」の3つに挑戦したが、納得のいく製品ができず販売を断念した。昨年、再度「最強のとんかつソース」と題し、開発を再開。限定本数ながら、いずれも数日で完売するほどの好評を得ている。

 今年のテーマは元号が変わり、令和になったことから「原点回帰」と設定。ソースの原点とされている、イギリスの現存する最古のLea&Perrins(リー&ペリン)を研究し、原材料の見直しを行った。

 ソースの原料として通常は「かす酢」を作っているが、Lea&Perrinsが、醸造酢を最も多く使っていることから、モルトビネガー作りに挑戦。地元浜松にオープンしたクラフトビール「OCTAGON」よりビールになる手前の麦汁を譲ってもらい、4月からアルコール発酵開始。酢酸菌で酢酸発酵を行い6月に発酵が終了。そこから寝かせて11月に独自のモルトビネガーを完成させた。果実酢の軽さと穀物酢のコクを兼ね備えた味に仕上がったという。

 イギリス版のウスターソースがアンチョビーを使っていることから、だしについても見直し。雑節生産の中心地である熊本県の牛深で、さまざまな雑節を味見。最終的に秋口の鯖節にたどり着き、昆布、かつお節を合わせて使う。かつお節も鹿児島県の枕崎で一本釣りの鰹使ったかつお節を使い。ほかにも、黒糖の本場である種子島西之表市の沖ヶ浜田集落にある「沖ヶ浜田の黒糖」を使うなど、それぞれにこだわって商品開発を行った。

 普段同社では使わない、モルトビネガーや黒糖、鯖節を使ったウスターソースは、定番のウスターソースよりも、バランスが取れて、五味それぞれが底上げされたという。合わせて開発したモルトビネガーとケチャップソースをセットにして販売する。

 「ソースは甘み・塩味・酸味・苦味・うまみの五味のバランスが命の調味料。イギリスのLea & Perrinsをお手本に原点を振り返ることでソースのさらなる底上げを実現できた」と社長の鳥居大資(だいし)さん。「見た目は色が薄くて不安になるかもしれないが、安心して本物のウスターソースを味わっていただければ」とも。

 価格は100ミリリットル入り(3本セット)=5,000円。同社オンラインショップと工場直販所で販売する。

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