浜松市美術館(浜松市中区松城町、TEL 053-454-6801)で現在、企画展「くまのパディントン展」が開かれている。
作家、マイケル・ボンドによって誕生し、帽子をかぶり、ダッフルコートを着たくまのパディントン。英国を代表する児童文学「パディントン」シリーズとして、絵本やアニメ、映画、ぬいぐるみなどになり、世界中で愛されている。パディントン生誕60周年と、2017年に逝去した作者への追悼の意を込め、2018(平成30)年から日本各地で開催されてきた同展。クマのパディントンが、かわいらしく魅力的だったことから同館でもオファー。国内最終開催地として、浜松での開催が決まった。
第1章から第5章まで、5部構成で、絵本やぬいぐるみ、挿絵の原画など、300点以上を展示する。第1章は、挿絵作家「ペギー・フォーナム」が書いた、絵本の要約が分かる挿絵の原画や複製画を展示。第2章は作者の仕事道具などを展示し、パディントンの生誕秘話も明かされる。第3章は、色合いやタッチなど、まったく違う5人の挿絵作家が書いた挿絵の原画を展示。第4章は、初めて作られたぬいぐるみをはじめ、各国で作られたぬいぐるみや4コマ漫画の原画、貴重なグッズなどを展示。第5章は、作者がパディントンへの思いを話す約5分間のインタビュー動画を流す。他会場での展示では、背景となる壁が白であることが多かった。しかし、絵の周りに白が多く使われていたことから、同美術館では黒い背景を採用。「大人っぽくなり、絵がはっきりと見えるようになったと思う」と学芸員の榛葉公作さん。
開催期間中は、中学生以下が参加でき、先着でグッズがもらえる「文字探しゲーム」や、館内にある撮影スペースで撮った写真をSNSに投稿すると、抽選でグッズがもらえる「SNS投稿キャンペーン」なども開催。7月26日、8月23日には、先着でパディントンの着ぐるみと写真撮影ができるイベントも行う。絵本をはじめ、ぬいぐるみやコップ、ポストカードといった会場限定グッズも販売する。
新型コロナウイルス対策として、スタッフは全員マスクを着用。入場時に検温モニターで検温を行い、入り口やトイレ前、物販コーナーなど、各所にアルコール消毒を用意。入場者が多いときは入場規制なども行う予定。
「雨や新型コロナウイルスの影響など心配はあったが、週末には予想以上の人が来場してくれた。本当にありがたい」と榛葉さん。「パディントンと一口に言っても、表情や色など実はさまざま。今回が国内最後の展示となるので、ぜひ自分好みのパディントンを見つけにきてほしい」と呼び掛ける。
開催時間は9時30分~17時、月曜休館(8月は無休)。入館料は、大人=1,200円、高校生・大学生・専門生=800円、小・中学生=600円。9月13日まで。