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浜松のソースメーカーが究極のソースプロジェクト第9弾 「焼きそばソース」テーマに

「究極の焼きそばソース」(左)と「パウダーソース」

「究極の焼きそばソース」(左)と「パウダーソース」

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 浜松の老舗ソースメーカー「鳥居食品」(浜松市中区相生、TEL 053-461-1575)が12月10日、究極のソースプロジェクト第9弾商品「The Sauce 2020」の販売を始めた。

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 毎年テーマを設けて究極のソースを開発する同プロジェクトは今年で9度目。今年のテーマは、宮川大輔さんがテレビ番組で同社のソースを使い「究極の焼きそば」を作ったことをきっかけに、「焼きそばソース」を掲げた。同社によると、素材の味を邪魔せず味を引き立たせるところが同社のソースの特長だが、焼きそばソースの場合、ソース自体の味が主張し目立つ存在のため、これまで開発を避けてきたという。社長の鳥居大資さんは「宮川さんがうまいと言ってくれたことはうれしいが、焼きそば専用のソースではないこともあり、うちが考える焼きそばソースはこれだというものを出したくなった」と話す。自社商品としては消費者向け商品で初となる焼きそばソースを開発することとなった。

 素材の味を生かしたいという思いと、通常の焼きそばソースは少し濃いという意見もあったことから、ソースの味を濃くせずに味をしっかりと麺につけるためにはどうしたらいいか考えた鳥居さん。通常、野菜からの水気が出て液体ソースの味が薄まってしまう。焼きそば用の蒸し麺はくっつかないよう油がついていることからソースがなじみにくいため、ソースを濃くする必要があった。そこで、ソースを濃くするのではなく、麺にソースがうまく絡むようにすることを考え、液体ソースとパウダーソースを組み合わせることとした。先にパウダーソースを麺になじませ、あとから液体ソースを入れることで、ソースの味を濃くしなくても麺にしっかりと味が吸着するように仕上げた。

 液体ソースは、辛くないがスパイス感を出したいと、シナモン、クローブ、ナツメグ の3つの香りを持つといわれる香辛料「オールスパイス」と黒こしょうをメインに使い、香味油の中に入れてスパイスの香りを移し、それをソースと合わせたドレッシングのような構成になっている。開発当初、香ばしい香りをつけたいと、桜チップをスモークしたものを油の中に閉じ込めたが、香りがうまく移らなかったことから断念。代わりに、焦がした砂糖を通常の2倍入れることで、香ばしさを出した。だしは通常、昆布とかつお節を使うが、かつお節を減らし、さば節を多く使うことで、駄菓子店で食べるお好み焼きのような、懐かしい味を再現。甘い香りをつけるため、種子島のサトウキビを使ったラム酒で作ったキビ酢を使ったという。

 パウダーソースは、ウスターソースを作る際、野菜の固形分や香辛料の粒が木おけに沈殿し、うまみが詰まった濃厚なソース「桶底のちから」をパウダー化。重厚なスパイスが香るが、辛すぎないソースに仕上げた。

 「ソースを使い焼きあがった焼きそばは、見た目は薄いけれど味はしっかりしている」と鳥居社長。「毎日でも食べられる焼きそばを目指したので、ぜひ食べてもらいたい」とも。

 価格は、150ミリリットル入り1本と40グラム入り1本で3,000円(限定250セット)。同社オンラインショップと工場直販所で販売する。

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